データセンター向け空冷式チラー開発、サーバの高密度化/高発熱化に対応 日立GLS:データセンター
日立グローバルライフソリューションズは2027年4月から、データセンター向け空冷式チラーユニット「AIXROSS」の受注を開始する。省エネルギー性能の向上や冷却設備の短工期化を図るとともに、データセンターの安定稼働を支援する。
日立グローバルライフソリューションズは2026年10月9日、データセンター向け空冷式チラーユニット「AIXROSS(アイクロス)」の受注を、2027年4月から開始すると発表した。生成AIの普及に伴うサーバの高密度化と高発熱化に対応し、省エネルギー性能の向上や冷却設備の短工期化を図るとともに、安定稼働を支援する。
AIの普及に伴いデータセンター需要が急増する中、生成AIの処理を伴うGPU搭載サーバなどIT機器の高密度化と高発熱化が進んでいる。冷却に伴うエネルギー消費が課題となっており、水資源の制約を背景に、水使用量を抑えられる空冷式冷却設備への需要も高まっている。
AIXROSSは、データセンター空調向けに冷凍サイクルを新たに設計することで、高外気温(乾球温度40℃)での冷却能力とCOP(消費エネルギー効率)を向上させた。受電容量や非常用発電機の容量低減が可能になるという。
製品は、冷媒ポンプを搭載しない標準タイプと、冷媒ポンプサイクルを採用した「Hybrid-M」「Hybrid-H」の3タイプを用意する。それぞれ冷水ポンプレス仕様と冷水ポンプ搭載仕様を選択できる。Hybrid-Mは冷媒ポンプを1台、Hybrid-Hは2台搭載。定格冷却能力は245kW(計画値)で、空気側熱交換器入口空気乾球温度40℃、冷水入口温度30℃、冷水出口温度20℃の条件に基づく。
Hybridタイプでは、外気温や運転状態に応じて圧縮機サイクルから冷媒ポンプサイクルに自動で切り替えることで消費電力を低減し、低外気温時のCOPを向上させる計画だ。これにより、年間の電力消費量の削減を図る。
下吸込み方式と周辺設備のモジュール化で短工期化
AIXROSSは、設置スペースを抑えられる下吸込み方式に対応し、冷却設備の配置における設計自由度を高める。日立グローバルライフソリューションズは、チラー本体に加え、配管やポンプ、タンクなどの周辺設備を含めたモジュール化の提案から導入までトータルエンジニアリングを提供する。周辺設備は他社製品との組み合わせにも対応。データセンター構築の短工期化を支援する。
また「高速起動モード」使用時は停電復帰後に定格容量運転へ到達するまでの時間を短縮する。チラー内蔵冷水ポンプは外部UPSへの接続が可能で、主電源の停電時も変流量制御を継続できる。
データセンターはサーバを段階的に導入するケースが多く、熱負荷が小さい初期から中期にかけても安定した稼働が求められる。複数のモジュールから成るAIXROSSは、熱負荷に応じた稼働台数の制御により、低負荷時から安定運転を可能にし、冗長性を確保する。
空調IoTソリューション「exiida」による遠隔監視に対応
設備運用では、空調IoTソリューション「exiida」による遠隔監視に対応する。exiidaは空調や冷熱設備の運転データをクラウド上で管理し、遠隔監視や予兆診断を通じて設備運用を支援する。遠隔監視の利用には別途有償契約が必要となる。
今後はフィジカルAIによる故障予知や省エネルギー制御にも対応する計画だ。日立が展開する「HMAX Data Center」を支えるコア製品として、冷却設備の高信頼化と高効率化を図る。日立グループ各社の技術を組み合わせ、データセンター全体の運用最適化を目指す。
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