iPadで描いた建築スケッチをBIMへ直接反映 Vectorworksの新機能:BIM
Vectorworksは「Vectorworks 2026 Update 6」で、iPad/iPhone向けアプリ「Morpholio Trace」との直接連携機能をリリースした。手描きのスケッチと精密なBIMモデルをクラウド経由でシームレスに行き来させ、設計者の創造性を途切れさせない画期的なワークフローが実現する。
ベクターワークスジャパンは2026年9月15日、BIMソフトウェアプロバイダーのVectorworksが、最新の「Vectorworks 2026 Update 6」と新たに加わったアプリ「Morpholio Trace」との連携機能をリリースしたと発表した。iPadやiPhoneの画面上に描いたフリーハンドのスケッチをデスクトップPC上のVectorworksが持つ精密なBIMモデルやCAD環境へと直接連携させる。
スケッチからBIMへの新しいクリエイティブなワークフローを提供
建築や建設、エンジニアリングの設計プロセスで、デザイナーの頭の中にあるアイデアを探求し、形にして他者に伝えるための手段として、手描きのスケッチは依然として中心的な役割を担っている。従来は、タブレット端末上で描いたスケッチを高度なBIMツールに取り込む際、ファイルの書き出しや縮尺の調整など、手作業による煩雑なやり取りが発生していた。
今回のアップデートにより、手描きスケッチが持つ即応性と、BIMや3DCADモデルが持つ高度な精度の間にある壁を取り払い、デザイナーの創造性を途切れさせることなく、2つの環境を自然に行き来する。
新しい連携機能の中核にあるのは、VectorworksとMorpholio Traceを直接つなぐ組み込み型の接続システムだ。
まずデスクトップ上のVectorworks上で、「Morpholio Traceへの取り出し」というコマンドを使用し、選択したシートレイヤやビューポート、3Dモデルをクラウド内の専用フォルダへ送信する。その後、手元のiPadやiPhoneでMorpholio Traceを開き、そのファイルにアクセスして取り込む。
デザイナーは、取り込んだ平面図や3Dモデルの図面を下敷きに、Apple Pencilなどを使って自由にスケッチやマークアップを描き込む。アイデアが固まったら、今度は「Morpholio Traceからの取り込み」コマンドを使用し、そのスケッチをPDFや画像、DXF形式でVectorworksのファイルへ直接戻す。
こうした一連の流れにより、手作業でのファイルのやり取りから完全に脱し、創造的な思考の流れを止めることなく、全てのデータを常に同期した状態に保てる。
手描きスケッチとBIMの間をシームレスに行き来する新しいワークフローは、プロジェクトのあらゆる段階でチームの作業を支援する。初期のコンセプトデザイン段階では、縮尺やジオメトリの整合性を保ちながら、Morpholio Trace上で複数の設計案やオーバーレイの迅速な検討が可能だ。プロジェクトが進行し、具体的な詳細設計へと移行してからも、連携機能の活躍の場は広がる。クライアントへのプレゼンテーション、チーム内でのレビュー時の修正、さらにはVectorworks上のモデルと直接連動する調整用のスケッチ作成などだ。最初のアイデア出しから詳細設計、図面作成に至るまで、より流動的で表現力豊かな極めて効率的なプロセスが実現する。
今回の連携機能のリリースについて、Vectorworks Product Plannerを務めるイスクラ・ニコロヴァ(Iskra Nikolova)氏は、「今回の連携により、スケッチの力とBIMの精度をこれまで以上に密接に結び付ける。図面やスケッチは、Vectorworks Cloud Servicesを通じて双方向にシームレスに移動するようになった。デザイナーは、Vectorworksを起点に、Morpholio Traceでスケッチしたり、Morpholio Traceで作成したアイデアをVectorworksに取り込んだりすることが可能になり、余分な手順や摩擦のない、流動的で柔軟なクリエイティブなプロセスを獲得する。デザインの技法を尊重しつつ、接続性とモバイル対応に優れたワークフローの実現は、当社の新たなマイルストーンとなる」とコメントする。
Vectorworks Director of Marketing(クラウド&モバイル担当)で、Morpholioの共同創設者でもあるAnna Kenoff(アンナ・ケノフ)氏も、両ツールの統合がもたらす価値を強調。「Morpholio Traceは、描画の喜びと即時性を保ちつつ、アイデアを現実へと導くツールとするために開発した。Vectorworksと直接統合することで、デザイナーはiPadでのスケッチをもとに、高度なBIMやCAD環境での作業へとシームレスに移行できる。そのワークフローは、デザインプロセスの中心にスケッチやマークアップを据えつつ、あらゆるアイデアを正確に発展させる新たな手段となる」と意義を強調する。
新しい連携機能は、現在提供中のVectorworks 2026 Update 6で利用できる。Vectorworks 2026のユーザーがUpdate 6をインストールするには、Vectorworksメニュー(Mac)またはヘルプメニュー(Windows)から「アップデータを確認」を選択する。
Vectorworks 2026と新しいMorpholio Traceとの連携機能や最新の機能を全て体験するには、無料で7日間使えるVectorworks評価版を申し込み、さらにApple App StoreからiPadかiPhone用のMorpholio Traceをダウンロードする必要がある。
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