インドのBIM/CIMエンジニアを日本へ ヒューマンリソシアがアディティヤ大学と連携:建設デジタル人材
ヒューマンリソシアはインドのアディティヤ大学と連携し、建設工学を学ぶ学生の日本での就業支援に関するMOUを締結した。BIM/CIMやCADを担う建設エンジニアの採用から日本語教育、国内企業への派遣までを一貫して支援し、技術者不足の解消を図る。
総合人材サービス会社のヒューマンリソシアは2026年8月20日、南インドのアンドラ・プラデシュ州に位置するアディティヤ(Aditya)大学と、建設工学(Civil Engineering)を学ぶ学生や卒業生の日本での就業支援に関する基本合意書(MOU)を締結したと発表した。連携により、BIM/CIMやCAD、土木分野の設計支援などを担う建設エンジニアをインドで採用し、国内企業への派遣を通じて人材育成を強化する。
BIM/CIMを担う建設エンジニアの採用と育成を強化
ヒューマンリソシアの独自調査によれば、BIM/CIM活用に必要な人材について52.8%が「5年後に人材不足が拡大する」と回答し、多くの企業が将来の担い手不足に懸念を抱いていると判明した。
事実、2025年3月に大学などを卒業して建築・土木・測量技術者として就職した人数は前年比0.9%減と、3年連続で減少。一方で、人材不足を感じる回答者のうち85.7%がBIM/CIM分野での海外人材の採用に前向きな姿勢を示すなど、海外人材を解決策の選択肢として捉える企業は多い。
ITエンジニアの供給国として実績があるインドは、建設分野でも大規模な教育基盤を形成し、大学などの学部課程で建設工学を学ぶ学生は約32.3万人に上る。しかし、専門教育を受けた人材が日本で能力を発揮するには、日本語力だけでなく、日本の業務や職場環境への理解、在留資格の取得、訪日前後の生活支援が不可欠となる。
こうした課題を解決するため、ヒューマンリソシアは建設工学の教育課程を持ち、外国語教育やグローバル人材育成に注力するアディティヤ大学と連携し、インドの専門人材と日本国内のエンジニア業務を直接つなぐ仕組みを構築した。
合意に基づき、アディティヤ大学は対象となる学生や卒業生へ情報を提供し、候補者を募集し、ヒューマンリソシアは日本での業務内容や就業環境に関する説明会を開催して選考と採用を担う。採用者には訪日前から会話を中心とした日本語教育を提供し、日本に来た後は住居や生活の支援、日本文化や職場環境に関する研修を実施する。その上で国内の建設企業へ派遣し、就業後も定着やキャリア形成を継続的に後押しする。
ヒューマンリソシアは今回の連携を起点に、インドの他の大学や教育機関との連携を広げ、建設関連分野の専門人材を継続的に採用/育成する基盤づくりを進める。同時に日本語教育から訪日、就業、定着までの一貫した支援体制を強化し、2027年度末までにBIM/CIMエンジニア1000人体制を構築して、国内企業の技術者不足の解消につなげる考えだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
BIM/CIM人材確保でインドネシア私大学生に来日就業支援、2027年度末までに1000人規模へ
ヒューマンリソシアは日本で不足するBIM/CIM人材の確保を目的に、インドネシアのパラヒャンガンカトリック大学の学生を対象に、日本語教育と日本での就業支援を包括して提供するプログラムを開始する。2027年度末までにグローバルでプログラムを水平展開し、建設業向けのエンジニア派遣1000人体制を目指す。
BIM/CIM人材は5年後に不足拡大 ヒューマンリソシアがインドネシアで独自育成
ヒューマンリソシアは、2027年度末までに建設エンジニア派遣1000人の体制を目指し、インドネシアで日本国内で活躍するBIM/CIM人材の育成と採用に注力している。その一環で、ジャカルタで開催した「日本就職フェア」に出展し、AIやクラウドなどのIT人材を含め、計20人の採用を見込む。
建設業の海外人材採用、BIM/CIMや設計職で8割超「前向き」 ヒューマンリソシア調査
ヒューマンリソシアは、建設業界の人材不足の見通しと海外人材活用の実態を建設従事者345人にアンケート調査し、vol.1として発表した。その結果、59.4%が施工管理職は「5年後さらに人材不足が拡大」と予測。海外人材採用については、BIM/CIMや設計職で8割超、技能工で約9割が受け入れに「前向き」と回答した。
「建設技術者への新卒就職は3年連続減、大卒者は微増」建設業の新卒就職者を調査
ヒューマンリソシアは、建設技術者に就いた2025年3月卒業者の動向を調査した。その結果、大学など新卒での建設技術者への就職者数は前年比0.9%減の約2.2万人となり、3年連続で減少となった。一方で、近年は大学院修了者が増えている他、女性や工学系以外の出身者の割合が上昇傾向にある。
建設技術者の新卒就職者数は2年連続のマイナス、女性や文系の採用に注力
ヒューマンリソシアは、建設技術者の重要な人材供給源となる大学などの新卒就職者の2024年動向を調査した。その結果、建設技術者への大学などの新卒就職者数は前年比で2.1%減少し、2年連続のマイナスとなった。
「建設業の平均年収は592万円。大手は16%増も中小は減少?」2025年給与動向【独自調査】
本連載では、総合人材サービス会社で建設業向けの人材サービスを展開するヒューマンリソシアが、独自に調査した建設業における人材動向を定期レポートとしてお届けする。今回は、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」を基に、建設業の2025年最新給与動向を分析した。
日建連 杉浦氏が教える「BIM/CIM導入成功のための人材活用術」建設HRセミナーレポート
国土交通省による全公共工事(小規模現場を除く)のBIM/CIM原則適用が2年後に迫っていることもあり、建設業界でのBIM/CIM導入の動きも活発になりつつある。だが、ビッグゼネコンなど一部の大手を除くと、BIM/CIM導入状況はまだまだ遅れ気味のようだ。建設業界の人事に関わる情報を発信するWebメディア「建設HR」は、2021年9月に日建連 杉浦伸哉氏を講師に迎え、プロセスとしてのBIM/CIMの理解と導入を阻む3つの要因にどう対処するか、さらにBIM/CIM人材活用術を解説するWebセミナーを開催した。

