大成建設が「作業船稼働率」を適正化するシステム開発 船と吊り荷の揺れを予測:海洋土木
大成建設は、海上工事の施工計画を支援する「作業船稼働率算定システム」を開発した。シミュレーションと波浪データを組み合わせ、全工程の時間に対する作業船の稼働可能時間を算定できる。波の大きさに加え、船体や吊り荷の揺れを考慮し、実施工に近い稼働率を短時間で割り出せる。
大成建設は、海上工事の施工計画を支援する「作業船稼働率算定システム」を開発した。
シミュレーションで求めた船体と吊(つ)り荷の揺れ特性に現地の波浪データを組み合わせ、全計画工程時間に対する作業船の稼働可能時間の割合を算定する。工程遅延リスクの低減や余裕工程の適正化、作業船費用の精査などに活用できる。
海上工事が抱える稼働率予測の課題と新システムの特長
海上工事では、施工計画やコストを算定する際に作業船の稼働率を適切に見積もる必要がある。従来は主に波の大きさから稼働率を求めていたが、同じ波浪条件でも船体の大きさや形状、吊り荷の状態によって揺れ方が異なる。そのため、計画時の想定と実施工に差が生じ、工程遅延や工事費の過大、過小見積もりにつながるリスクがあった。
今回開発した作業船稼働率算定システムは、シミュレーションで求めた船体と吊り荷の揺れ特性に現地の波浪データを組み合わせ、全計画工程時間に対する作業船の稼働可能時間の割合を算定するシステム。工程遅延リスクの低減や余裕工程の適正化、作業船にかかるコストの精査などに活用できる。
波によって生じる船体と吊り荷の揺れを考慮し、作業の可否を定量的に評価する。従来の波の大きさを主な基準とする方法に比べ、作業船の大きさや形状、吊り荷の状態による揺れ方の違いを反映できるため、実施工に近い稼働率を算定できる。
代表的な作業船や吊り荷については、シミュレーションで求めた揺れ特性をあらかじめデータベース化した。稼働率を算定するたびに詳細な解析を実施する必要がなく、長期間にわたる工事でも短時間で算定を完了できる。
複数の作業船について稼働率を比較することも可能だ。工事現場の海象条件に適した作業船の選定や船舶ごとのコスト精査に役立つ。
計画段階だけでなく、施工期間中の判断にも対応。波浪予測データと連携すれば、予測される波と船体、吊り荷の揺れ特性から作業船の稼働可否を判断でき、安全性と生産性の向上につなげられる。
大成建設は今後、対象となる作業船と吊り荷の揺れ特性データベースを拡充する他、現地計測による検証を進める。実工事への適用を広げながら、システムの高度化に向けた技術開発をさらに推進する方針だ。
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