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雨水を循環利用する「ゼロウオータービル」 大成建設グループが福島で新研究施設本格運用産業動向

大成建設と大成ロテックは、福島県田村市に整備した大成建設グループ次世代技術実証センター/田村「T-FIELD/TAMURA(たむラボ)」の本格運用を開始した。ゼロウオータービルを中核に、自然共生と次世代舗装技術技術の検証/評価を行う実証フィールドとして活用する。

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 大成建設と大成ロテックは2026年8月4日、福島県田村市に整備した大成建設グループ次世代技術実証センター/田村「T-FIELD/TAMURA(たむラボ)」の本格運用を開始したと発表した。自然共生社会と道路インフラに関わる社会課題の解決に向け、雨水を活用した水循環の自立化や生物多様性の保全/再生、次世代舗装技術の早期実用化などを目指し、社会実装を前提とした検証/評価を行う実証フィールドとして活用する。

「T-FIELD/TAMURA」の全景
「T-FIELD/TAMURA」の全景 出典:大成建設プレスリリース

 たむラボは、水道水に依存せず雨水による水循環の自立化を目指す実証建物「自然共生型管理棟(ゼロウオータービル、ZWB)」、自然再生や生物多様性の評価手法を実証する「ネイチャーフィールド」、舗装耐久評価を大幅に短縮する実証実験走路「舗装のテストコース」の3施設から成る。

 自然共生型管理棟は、水道水をバックアップ用途に限定し、建物単位で雨水を浄化して循環利用するZWBとして水循環の自立化を図っている。平常時の環境負荷低減と災害時の水利用継続を両立する建築システムとして、公共施設や一般ビルへの展開を視野に入れる。約300平方メートルの屋根から集めた雨水を最大容量30トンの貯留槽に蓄え、浄化/ろ過して上水として利用する。生活排水は微生物膜処理によって中水化し、トイレの洗浄水に再利用する。貯留槽と処理設備は、常時の施設利用者に加え、1日当たり30人の来訪者に対応できる容量とした。

 また、気象予報による降雨量、建物内の水使用量、過去の実績データ、入退館情報などを統合的にAIで処理し、雨水貯留槽に必要な貯水量を30分ごとに予測。予測値に応じて雨水を取り込むバルブを自動制御する。降雨量が多い季節でも必要最低限の水量を貯留することで循環ろ過水量を低減し、消費電力の削減やフィルターの長寿命化を図る。

 建物には田村市産のスギ製材を活用した木造架構を採用した。小断面の製材を組み合わせてアーチ状に架構することで、大断面集成材を使わずに約11メートルスパンの大空間を実現している。

自然共生型管理棟(外観)
自然共生型管理棟(外観) 出典:大成建設プレスリリース
自然共生型管理棟(内観)
自然共生型管理棟(内観) 出典:大成建設プレスリリース
ゼロウオータービル(ZWB)フロー
ゼロウオータービル(ZWB)フロー 出典:大成建設プレスリリース

 ネイチャーフィールドは、舗装のテストコースの内側と外周部の造成地に整備。約7万平方メートルの敷地に、早期樹林化を目指す自然の森(外周部の約1万9000平方メートル)と、半自然草原と湿地(コース内側の約5万1000平方メートル)を設けた。地域由来の種子を用いて、30年間にわたり生態系/種/遺伝子の3つのレベルに配慮した自然再生を実証する。また、独自の評価手法「Japan Biodiversity Metric」で生物の生息環境価値を定量化し、自然再生による変化を可視化する。将来は、生物多様性クレジット創出や、自然価値を測った上での環境技術の社会実装や事業化も視野に入れる。

半自然草原、湿地、自然の森の植生状況
半自然草原、湿地、自然の森の植生状況 出典:大成建設プレスリリース

 舗装のテストコースでは、民間施設としては国内初という実寸大舗装の耐久性を評価する実証実験走路を整備した。1周909メートルの楕円形で、直線区間100メートルを2区間設けた。有効幅員は3.8メートル。現在は18区画に分け、低炭素アスファルト舗装や高耐久アスファルト舗装など、異なる舗装材料/構造を同一条件で比較/評価する。5台の大型トレーラーを昼夜連続で自動運転走行させることで、実際の道路舗装の設計年数に相当する耐久性の評価期間を3分の1程度以下に短縮する疲労促進実験が可能だ。また、車両の電動化に対応した技術として、舗装から非接触で電動化車両へ電力を供給する「無線給電舗装」を敷設し、検証を開始している。

大型トレーラーのテストコース走行状況
大型トレーラーのテストコース走行状況 出典:大成建設プレスリリース

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