ブラザーが東京・京橋に体験型施設を開業、殺陣や書道の体験がTシャツなどの形に(2/2 ページ)
ブラザー販売は、東京・京橋に体験型施設「BROTHER JOYFACTORY TOKYO」を開業した。メインターゲットを訪日外国人とし、「ものがたり×ものづくり」をテーマに、侍の殺陣や書道、カラオケなどのアクティビティーを提供する。来場者はその文化体験をブラザーが培ってきた技術で、オリジナルのレコードやTシャツ、SNS用動画などにして持ち帰れる。ブラザーは本施設をショーケースとし、自治体やJPホルダーとの連携を見据えた新しいビジネスプラットフォームを構築する考えだ。
クリエイターの創造力とブラザーのハード/ソフト技術を融合
施設内には、受付からデータ生成、注文、出力までを管理する長屋印刷との共同開発による独自のオーダーオペレーションシステムを導入した。汎用性の高いシステムを活用することで、各地の観光施設やテーマパーク、IP(知的財産)ホルダー、自治体などとの協業も容易になる。
実際に今回の体験開発にはアニメ「攻殻機動隊 SAC_2045」を手掛けた荒牧伸志氏(モーション監修)をはじめ、カプコンで「モンスターハンター」シリーズに携わった小嶋慎太郎氏(ゲーム体験監修)など、日本を代表するトップクリエイター陣が参画した。
彼らの持つクリエイティビティーとブラザーのハードウェア/ソフトウェア技術を融合させることで、単なる「お土産作り」の枠に収まらない、高度なエンターテインメント体験を実現している。安井氏は、「日本各地の観光地や世界中にファンを持つ日本のキャラクターIPと結び付けることで、無限の可能性が広がる」と期待を込めた。各地域が持つ固有の価値をコンテンツ化し、ブラザーの技術で「自分だけの思い出」として持ち帰る仕組みは、地方創生やコンテンツ産業のさらなる発展に寄与するボテンシャルを秘めている。
BROTHER JOYFACTORY TOKYOのアクティビティーで設計や監修などを担当したクリエイター諸氏。右から、笹倉逸郎氏(SOLA DIGITAL ARTS 執行役員 CTO)、小嶋慎太郎氏(ゲームプロデューサー)、齋藤雄一氏(LVM 代表)。一番左はモデレータの若山勝氏(ブラザー販売 クリエーション事業本部)
侍、カラオケ、書道などの日本文化を自分で味わう高揚感
BROTHER JOYFACTORY TOKYOには、AIを含むデジタル技術を駆使して日本文化を体験できるアクティビティーを用意。いずれもブラザーが培ってきたハードウェアとソフトウェアの技術を融合することで可能になったものだ。
■侍伝説(SAMURAI LEGEND)
侍伝説は殺陣の体験。来場者は、まず侍装束を身にまとう。大画面の前で剣術の所作を学んだ後、師匠と共に演武を行うが、その動きはデジタル技術による映像効果が加えられ、ダイナミックな映像に変換される。
体験は、即座にショート動画として生成され、SNSで共有できるだけでなく、自分が「主役」となった演武の姿をその場でオリジナルTシャツにガーメントプリンターで印刷できる。
■カラオケレコード(KARAOKE RECORD)
カラオケレコードは、最新のマスタリング技術を駆使したカラオケ体験だ。業務用の通信カラオケを手掛けるJOYSOUNDから楽曲と技術の協力を受けている。
日本語が話せない海外からの旅行客であっても、AIとの対話を通じて音声をサンプリングして、自然な日本語の歌声へと変換し、音程も自動補正される。録音された歌声は、その場でレトロなジャケット付きのレコードにできる他、データのダウンロードも可能だ。
■書道ステージ(SHODO STAGE)
書道ステージは、ブラザーが開発中の没入空間創造システム「ROOMDIVE(ルームダイブ)」を活用したアクティビティーだ。水を使った大筆で、プロジェクターが投影する手本をなぞると、文字を書いたような書道体験ができる。書かれた文字は、ブラザーの箔(はく)印刷技術で金や銀の箔押しが施されたミニ掛け軸に出力可能だ
3つの体験に共通するのは、単に提供されたコンテンツを消費するのではなく、自分自身が試行錯誤し、苦労して作り上げるプロセスそのものを価値としている点だ。ブラザー販売 クリエーション事業本部 若山勝氏は、「下手でも、君がやることに価値がある。自分が主役になり、ものづくりをすることが最高に楽しかったと言ってほしい」と、新施設に込めた想いを口にした。
ブラザーは、京橋の拠点を皮切りに、世界中のパートナーと共に「新しい日本の物づくりの楽しさ」を創出していく方針だ。製造業の枠を超え、体験を価値に変えるブラザーの挑戦は、インバウンド時代の新たな観光ビジネスのあり方を提示している。
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