現実空間を“IPアドレスのように扱う”新基盤「空間アドレス」、ミラリスタ:デジタルツイン
ミラリスタは、現実空間を一定の単位で区切って識別子を付与し、位置を座標ではなくIDとして扱う基盤構想「空間アドレス」を発表した。測位手段に依存せずに同一空間を同一IDで表現できる点を特長とする。
ミラリスタは2026年4月、現実空間を一定の単位で区切って識別子を付与し、位置を座標ではなくIDとして扱う基盤構想「空間アドレス」を発表した。
測位手段に依存しない位置情報の共通ID化で、人/ロボット/車両を協調
空間アドレスは、インターネットにおけるIPアドレスのように、場所そのものに識別子を対応付け、位置を“座標”ではなく“ID”として扱う考え方だ。空間を分割して一意の識別子を付与するもので、用途に応じてLOD(解像度)を柔軟に変更できる。
従来の位置表現は、緯度や経度、高さといった座標に依存していたが、今回発表した技術では測位手段に依存せずに同一空間を同一IDで表現できる。GNSSやSLAM、マーカーなど異なる測位手段を用いるシステム間でも、位置情報を共通基盤として扱いやすい。
ミラリスタは、建設現場で人と建機、ロボットが危険エリアを共有して安全管理を高度化する用途を想定。他にも、橋梁(きょうりょう)やトンネル、上下水道などGNSSが届きにくいインフラ点検で、人とロボットとの間で点検箇所を正確に一致させるケースなども視野に入れる。
さらに、場所のIDを指定するだけで目的地までの移動経路を自動生成する仕組みも構想している。複数のロボットが同一作業地点に順次アクセスする場合、混雑状況を踏まえて経路を動的に調整する協調動作への展開を見込む。ただし、ロボットやxR、IoTとの連携は、今後の技術検討や実証を通じて具体化していくという。
従来の座標を用いた位置情報の把握では、屋内や非オープンスカイ環境での位置特定が難しく、異なる測位手段間で位置が一致しない、インフラや建設現場で位置共有に手間がかかるといった課題が存在した。また、複数のロボットや人、車両などが同一空間内で協調して動作するユースケースでは、各機体が異なる測位手段(GNSS、SLAM、マーカーなど)を利用、位置情報の統合や変換に大きなコストが掛かるなど、「空間を共通に理解する基盤」がないことが、協調制御のボトルネックとなっていた。
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