「楽楽精算」に5つのAI機能実装、2030年までに完全自動化目指す:AI(2/2 ページ)
ラクスは「楽楽精算」に実装する5つのAI機能とAI戦略を発表した。伝票作成や承認チェック、証憑収集をAIで支援し、人間とルールベースシステム、AIが役割分担する「協働型AI」を推進。2030年までに指示/確認/承認だけで業務を進められる完全自動化を目指す。
5つのAI機能を発表 第一弾は伝票作成AIエージェント
ラクスが楽楽精算の新機能として開発を進めるのが「伝票作成AIエージェント」「申請レビューAI」「証憑/伝票照合AI」「適格請求書チェックAI」「証憑取得AIエージェント」の5機能だ。第1弾として、2026年6月16日から伝票作成AIエージェントの提供を開始した。
従来の経費精算業務では、申請者は領収書をアップロードした後、クレジットカード明細や事前申請とのひもづけ、勘定科目やプロジェクトの選択、備考欄などフリー入力欄の記入を行ってから申請伝票を起票する必要があった。企業によっては過去の申請や社内ルールを参照する必要もあり、申請者や承認者にとって負担になっていた。
伝票作成AIエージェントは、申請者が楽楽精算にアップロードした領収書を選択すると、AIが領収書の内容と関連データを解析して、経費精算の申請伝票を自動起票する。領収書の取引先名や金額、利用日などを読み取って事前申請やクレジットカード利用明細を自動でひもづける他、過去の申請履歴などを参照しながら、勘定科目や負担部門、摘要欄の内容などを提案した状態で伝票を作成する。オプション機能として提供する。
ラクス 執行役員 楽楽クラウドバックオフィス事業統括本部 支払管理ソリューション本部 本部長 宮川拓也氏は「伝票作成AIエージェントは2025年12月から一部ユーザーにベータ版を提供して検証を進めてきた。入力精度を継続して高め、ほぼ修正不要で伝票を作成できるケースも出てきている」と説明した。参照できる過去データが少ない場合は入力項目に空欄が生じる場合もあるが、一部の情報を自動で補完するだけでも利用者の入力作業削減につながると補足した。
現在、AIの参照したデータや推論の根拠を可視化する「判断ログ」や企業独自の規定/運用ルールを文章による指示で登録できる機能も開発中だ。
承認業務の負担を軽減する3つのAI
申請者の伝票作成を支援する伝票作成AIエージェントに対し、承認業務の負担を軽減するのが、申請レビューAI、証憑/伝票照合AI、適格請求書チェックAIの3つだ。
申請レビューAIは、事前に設定した企業独自の社内規定やルールに沿った申請内容かをAIが確認。「会食の精算では参加者全員をフルネームで記載する」といった、従来のルールベースでは判定しづらかった内容にも対応できる。
証憑/伝票照合AIは、領収書と申請内容の整合性を確認する機能だ。楽楽精算ではOCRによる入力支援機能を提供しているが、100%の精度ではない。申請時とは異なるAIモデルを活用してダブルチェックを行い、内容に誤りがないかを確認する。
適格請求書チェックAIは、インボイス制度の要件を満たした請求書や領収書かどうかを確認する。
宮川氏は「一定金額以上の申請をチェックするといった定型的な判定はルールベースが得意だ。一方で、参加者名の記載内容を確認するような推論を伴う判断はAIが得意とする。ルールベースとAIを組み合わせることで、承認業務の効率化を支援していく」と述べた。
領収書の収集まで自動化
領収書や請求書を集めてシステムにアップロードする証憑取得AIエージェントも開発中だ。メール添付や各種サービスサイトでダウンロードする必要がある証憑を、AIが自動で収集しシステムへアップロードする。
ラクスでは5つのAIを順次提供し、証憑取得から伝票作成、申請内容のチェックまでをAIが支援するシステムを構築。人による作業を段階的に削減し、自動化領域を拡大していく。
宮川氏は各AI機能について「ユーザーと一緒に作り上げていくことが重要だ。すぐに効果が出る部分と、導入直後は十分な精度が出にくい部分がある。ユーザーからフィードバックを収集しながら継続的に精度向上を図っていく」と語った。
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