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大林組が先行利用したPwCの新環境評価サービス 他社との比較で「建設SX」実現へ建設SX(2/2 ページ)

企業経営に経済価値だけでなく、環境配慮などの社会課題に向き合うことが不可欠となっている。ただ、気候変動などワンテーマに絞るだけでは、複雑化する問題に対応できない。その中で注目されているのが、社会課題を統合的に捉える「ホリスティックアプローチ」だ。PwC Japanグループでは、この考え方を取り入れた新環境評価サービスを2026年1月にリリース。大林組が、建築時の環境評価で先行利用したという。

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PwCのホリスティック評価ツール「SHE」

 こうした理念を具現化すべく、PwCがリリースしたホリスティック評価ツール「サステナビリティー ホリスティック エバリュエーター(SHE)」は、カーボンニュートラルに加え、資源リサイクルなどの循環性を意味する「サーキュラリティー」、自然再興を図る「ネイチャーポジティブ」、人権を含めた人の快適性を意味する「ウェルネス」の4軸で企業活動を評価できる。

 分析では160の指標に基づき、企業ごとのニーズに合わせて各指標をレーダーチャートで可視化する。非財務情報を公開している同業他社との比較も容易で、他企業と比べた自社の優位性や劣後する部分もすぐに分かる。

 サプライチェーンのシミュレーションツールとしても機能し、ある製品を製造するグローバルサプライチェーンで、ボトルネックがどこに潜んでいるかを特定することも可能だ。そのため、実効性の高い対策にすぐに乗り出せる。

 PwCコンサルティングでディレクターを務める齊藤三希子氏は、「国や国際機関では、脱炭素、循環経済、自然再興の3分野を統合して考える動きが活発になっている。企業の非財務情報開示でも、こうした多角的で総合的な分析が義務付けられる流れは今後、勢いを増すだろう」と分析する。

大林組をケーススタディーとして、ゼネコン4社の環境負荷に関する施策展開を比較。分野ごとに業界での優位性を可視化した
大林組をケーススタディーとして、ゼネコン4社の環境負荷に関する施策展開を比較。分野ごとに業界での優位性を可視化した 提供:PwC Japanグループ

大林組が先行導入、実物件を用いたシミュレーションの成果

 ホリスティック評価ツールの開発段階では、大手ゼネコンの大林組が先行利用したという。

 大林組がサービスを利用した背景には、建設物の原材料調達から廃棄/リサイクルに至る環境負荷を評価する「ライフサイクルアセスメント(LCA)」が、欧州などで2028年頃から義務化されるグローバル潮流が大きい。建物の運用段階を除くライフサイクル全体で、CO2排出量の評価が求められるため、国内の建設業界も対応に追われている。

 大林組は「ゼネコン各社でサステナビリティーに関する施策をしているが、バラバラに取り組んでおり、総合的に何に寄与しているかが見えづらく、価格にも転嫁しづらい」と課題感をコメントする。

 今回のシミュレーションでは実物件を対象に、鉄骨と木造で建てた場合の環境への影響評価を比較した。環境価値を貨幣価値に換算して試算し、サステナビリティー施策を価格に転嫁できる指標として提示することができたという。

 PwCでは、ホリスティック評価サービスとともに、原材料の需給シミュレーションや調達先の最適性をシミュレーションできる機能の実装も予定する。本格化する企業の情報開示の流れの中で、建設業界のSXを強力に後押しするサービスとして注目を集めそうだ。

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