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大和ハウスと日本ERIの先駆者に学ぶ、「BIM図面審査」の仕組みとデータ審査への壁BIM確認申請(3/3 ページ)

2026年4月から、建築確認申請にBIMを活用した「BIM図面審査」が始まった。指定確認検査機関の日本ERIと大和ハウス工業は制度開始の8年も前に、20共通データ環境を活用した独自のBIM審査を試行している。その経験を踏まえ両社は、BIM図面審査の意義や2029年のBIMデータ審査に向けた課題を解説した。

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 BIMの社内での取り組みとしては、BIMの国際規格「ISO 19650」に着目。他に先駆け2020年度にBIMの情報管理を規定するISO 19650-1&2で仮想物件、翌2021年度に実施物件、2022年には情報セキュリティに関するISO 19650-5、さらにBIM統合による品質向上の事例でも認証を得るなど、5年連続で段階的に認証を取得してきた。その中で宮内氏は、目的を持った計画的なBIMの必要性を再認識したという。むやみに詳細度を上げるのではなく、「誰が何をいつまでに何の目的でBIMを作成するのか」を明確にすることで、モデリングが必要な箇所と不要な箇所がクリアになり、「プロジェクト関係者間で共有するモデル品質が向上する」と提言する。

計画的BIM実行の重要性
計画的BIM実行の重要性 提供:大和ハウス工業

 独自のBIM審査とISO 19650の認証取得の経験を踏まえ、今後は2029年のデータ審査に向け、「とにかくBIMの件数をこなす段階から、より効果的かつ計画的なBIM実行へマインドチェンジしていく。そのためにRevitからIFCデータを出力するパラメーター整理といったデータレベルと、社内ガイドライン制定など運用レベルの両面での準備を進め、図面依存の業務からの脱却やより質の高いBIMモデルの構築を図る」と展望を示す。

BIMデータ審査へ向けた対応方針
BIMデータ審査へ向けた対応方針 提供:大和ハウス工業

普及に向けた課題は「データ標準化」と「教育/コスト」

 質疑応答では、制度移行への課題や業界全体の普及率について鋭い質問が飛んだ。図面審査からデータ審査への移行に関して宮内氏は、「図面審査に比べ、データ審査のハードルは格段に高い」とみている。現在はデータが参考値だが、今後はデータ自体に厳密な正確性が求められるためだ。関戸氏も「データ審査へステップアップする際には、属性情報の標準化など解決すべき課題がまだまだ山積している」との認識を口にした。


筆者撮影

 また、地方自治体のBIM確認申請への対応について関戸氏は、「CDEを契約した前向きな行政機関がある一方、予算の関係で難しい自治体もある。特定行政庁や関係機関とのネットワークを構築していく必要がある」と言及した。

 さらに関戸氏は建築業界全体でのBIMの導入率にも触れ、「大手ゼネコンや準大手、大手建築設計事務所、一部アトリエ系の事務所では活用が進むが、業界全体への普及はまだまだこれからという印象」とし、業界の裾野まで浸透するかは今後の取り組み次第との見解を示した。

 大手以外へ広く普及させるための方策で宮内氏は、「BIM活用にはトレーニングが必要だが、中小企業ではその体制を整備するのが難しい。教育を受けられる環境が欠かせない」と述べた。関戸氏も「BIMソフトの導入費用がハードルになっている」と同調し、国の補助金などを活用しつつ、広く教育を提供する場の整備と、「中小企業が得られるメリットを強く訴求することが重要となる」と提言した。

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