建設リース業の事務作業を“AIでまるごと自動化” 「BuildOS」の事前登録開始:建設バックオフィスDX
建設リース業界の紙やFAX、Excelに依存した事務作業をAIで自動化するクラウド業務OS「BuildOS」がリリースされた。月3日かかっていた請求書照合を数時間に短縮するなど、業界特有の商習慣に対応し、深刻な人手不足と長時間労働の是正をもたらす。
Leachは2026年5月11日、建設業のリース会社やレンタル会社向けに、AI業務OS「BuildOS(ビルドオーエス)」の事前登録の受付を開始した。請求書の突き合わせや入出庫や在庫管理など、紙やExcelに依存していた事務所の面倒な作業をAIとクラウドで刷新するシステムだ。
なぜ建設レンタル業の事務作業はデジタル化が進まないのか
建設リース会社はゼネコン、下請け会社、資材メーカーなど多様なプレイヤーと日常的に取引を行うため、建設サプライチェーンの結節点といえる。リース会社が発行する伝票や帳票は、取引先の事務処理にもそのまま影響するため、デジタル化すればサプライチェーン全体に波及する可能性がある立ち位置だ。
しかし、現状では建設業界ならではの根深い商習慣や構造的課題が壁となり、事務作業はいまだにアナログな手法が主流となっている。
例えば、現場では「足場材一式」と大括りで発注されるが、返却時は1本ずつ数えて検品する必要があり、一般的な販売管理システムでは、こうした「一式発注」に対応できない。また、建設用リース資材は、単なる在庫数だけでなく、耐用回数や修繕履歴のスクラップ判断など、独自の管理ルールで運用している。さらに、重層下請け構造の中では、取引先ごとに伝票フォーマットが異なり、企業間のデータ受け渡しに手作業の転記が避けらない。
こうした要因が元で、業務がベテラン社員の暗黙知に依存する“属人化”が常態化している。しかし、建設技能労働者の高齢化や2024年4月から適用された時間外労働の上限規制(2024年問題)により、従来の人海戦術による対応はもはや限界を迎えつつある。
AI自動化で月3日の請求照合を数時間に
Leachが提供するBuildOSは、実業務の高負荷に耐えてきたAIを土台に、建設リース業務の抜本的な効率化を実現する。
仕入先などから届く請求書をOCRとAIで自動照合し、月3日かかっていたチェック作業を数時間に短縮する。建設業特有の「一式」と書かれた請求書と個品ごとの出庫伝票の突き合わせにも、照合ロジックで対応している。
FAXやPDFで届く注文書はAIが読み取り、商品コードの照合から出庫指示書の発行、スケジュール調整までを一気に処理。「現場名」「工期」「搬入日指定」といった建設現場ならではの項目もきちんと拾い、出庫スケジュールの調整まで反映する。
加えて、月1万件規模の返却品検収をタブレットで記録し、写真を撮って品目、数量、状態を入力するだけで、検品データがリアルタイムにクラウドで共有。「一式で返ってきた」「数が合わない」といった現場でよく起きるケースにも、運用で対応できる仕組みを標準で備える。
全拠点の在庫は、保有数や貸出中、返却済(使用可)、スクラップ対象などの状況が一画面で分かる。1本ごとの使用回数も追跡可能で、耐用回数に達した資材には「スクラップ候補」の印を自動で付与する機能も備える。
入庫伝票や出庫伝票、請求書、検収書は自動で作成。帳票のレイアウトは取引先ごとに違うことが多いため、各社ごとのフォーマットに合わせて出力できる。
いずれの機能も同一のシステムでつながり、スマートフォンやタブレット、PCで操作可能だ。本社/拠点/現場が同じ数字をその場で見られるため、「請求書が届いていない」「あの伝票どこ」「拠点に電話して確認」といった無駄な手間が省ける。
BuildOSは、月額制のクラウド型サービスとして提供予定で、初期導入費はゼロ。従業員20〜200人規模の中小リース会社でも無理なく導入できる料金体系としている。
現在は2026年内の正式リリースに向けて開発段階にあり、特設Webサイトで一緒にPoCでプロトタイプを磨き込む企業の事前登録を受付中だ。登録企業には、正式リリース時の優先案内、実データを用いた無料の導入シミュレーションを提供する。建設サプライチェーンの「結節点」となる資材リース業の業務がデジタル化されることで、業界全体の生産性向上への波及効果が期待される。
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