発破掘削の装薬量をAIが計画、奥村組が新システム開発:山岳トンネル工事
奥村組は、ジェーエムエーシステムズ、アクロクエストテクノロジーと共同で、山岳トンネル工事の発破掘削において、AIで適切な装薬量を計画する「装薬量計画システム」を開発した。
奥村組は2026年5月21日、ジェーエムエーシステムズ、アクロクエストテクノロジーと共同で、山岳トンネル工事の発破掘削を効率化する「装薬量計画システム」を開発したと発表した。
コンピュータジャンボから取得した装薬孔の穿孔データを基に、過去の施工データを学習したAIモデルで、装薬孔ごとの適切な装薬量を計画する。穿孔データの取得/編集、装薬量推論実行、推論結果表示/出力の3ステップで、全断面の装薬量を5〜10分程度で計画できる。
新システムは、コンピュータジャンボに記録した穿孔データを専用PCに転送してAIモデルの入力用データとして編集し、クラウドへアップロードする。クラウド上のAIモデルが、雷管の段数に基づく起爆タイミングを考慮し、装薬孔ごとの装薬量計画値を算出。推論結果は図表で表示する。
奥村組は、四国地方整備局発注の「令和5-7(2023〜25)年度 窪川佐賀道路見付トンネル工事」で、新システムによる装薬量の推論結果を検証。外周装薬孔を対象に、システムが算出した装薬量計画値と熟練技能者が決定した実績値を比較した。
その結果、設計断面に近い掘削量となった発破掘削の断面では、実績値が装薬孔当たり400グラムだったのに対し、計画値は340〜390グラムとなった。奥村組は、システムが算出した装薬量は実績値とおおむね整合し、適切な装薬量を計画できることを確認したとしている。
今後は、コンピュータジャンボを使用するトンネル現場にシステムを展開し、AIモデルの精度検証と改善を進める。併せて、装薬孔の穿孔配置を計画するシステムの開発にも取り組み、装薬量計画システムと統合した発破パターン計画システムへの発展を目指す。
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