山岳トンネルに3ブーム自動装薬専用機導入、発破パターン自動生成と連携し実証施工:山岳トンネル工事
前田建設工業は福島県発注の山岳トンネル工事で、3ブーム自動装薬専用機と発破パターン作成支援システムを組み合わせた連係動作施工の実証を開始した。
前田建設工業は2026年3月16日、山岳トンネルの発破掘削において、自動装薬システムを搭載した「3ブーム自動装薬専用機」と、「発破パターン作成支援システム」を組み合わせた施工の実証を開始したと発表した。
福島県発注の「浪江三春線・(仮称)2号トンネル(浪江側)工事」で、穿孔計画から発破までの一連の作業を連係して実施した。穿孔実績データから自動生成した発破パターンに基づき装薬孔を穿孔し、ワンボタンで実火薬を連続的に装填して発破することに成功。切羽直下への作業員の立ち入りを不要とした。
装薬機による実証では、全自動ドリルジャンボから取得した穿孔実績と自動装薬システムの自動位置合わせ機能により、親ダイと増ダイの装填までをワンボタンで実行した。目標とする全ての爆薬を自動装填し、発破後の切羽やずり形状に問題がなく、親ダイと増ダイの確実な装填ができていたことを確認した。
発破パターン作成支援システムは、1スパン手前の穿孔実績データを基に次切羽の発破パターンを作成する。さらに、発破後の切羽形状の点群データと、自社のAI切羽評価システムによる風化や亀裂の判定/評価データを用いたフィードバック機能により、切羽ごとに最適な発破パターンの作成が可能だ。実証施工では設計時の孔数と比較して約15%の削減を達成し、必要最小限の孔数での施工を実現した。
前田建設工業は、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の一環として、無線電子雷管システムの社会実装と標準化にも取り組んでいる。今回開発した装薬機に無線電子雷管を適用することで、人手による結線作業の省略が見込める。今後は、今回の実証成果を全国の山岳トンネル工事に展開し、実績の蓄積と改良を進める方針だ。
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