熟練工の暗黙知を活用し、AIが発破パターン選定 三井住友建設が山岳トンネル工事で現場実証:山岳トンネル工事
三井住友建設は、山岳トンネル工事の発破作業の効率化と安全性向上を目的とした「AI de 先ヤマ(発破編)」の現場実証を実施し、熟練工と同等水準の判断が可能と確認した。
三井住友建設は2026年4月15日、国土交通省中国地方整備局発注の「令和5(2023)年度俵山・豊田道路第2トンネル工事」で、AIを活用した発破パターンの自動選定技術「AI de 先ヤマ(発破編)」の現場実証を実施したと発表した。実証の結果、穿孔から装薬までの一連の発破作業において、AIが熟練トンネル特殊工と同等水準の判断ができると確認した。
AI de 先ヤマ(発破編)は、トンネルに特化した三井住友建設の施工管理技術「SMC-Tunneling」シリーズの一環として開発した。熟練工の暗黙知を、発破孔の削孔や装薬時に取得した多様なデータをAIに学習させることで、地山状況に応じた発破パターンをAIが自動で選定、提案する。作業工程や余掘り量のばらつきが抑制されて発破作業が効率化できる。
また、全自動ドリルジャンボや装薬システムと連携することで省人化が可能となる他、発破作業の自動化や遠隔化により、作業員が肌落ちなどのリスクが高い切羽近傍に立ち入る必要がなくなるため安全性向上にもつながる。
現場実証では、クラウド上のAIアプリAI de 先ヤマ(発破編)を適用し、AIが提示した発破パターンに基づき施工を実施。地山状況に応じて、熟練工と同等の適切な発破パターンが選定されることを確認した。さらに、ドリルジャンボ穿孔誘導システムと装薬量管理タブレットと連携させることで、穿孔から装薬までの発破作業を通常通りに進められることが分かった。余掘り量についても、熟練工による施工と同等の結果が得られたとしている。
今後は、今回の現場実証で得られたデータを基にAIモデルの精度向上を図る。AI de 先ヤマ(発破編)をSMC-Tunnelingシリーズで連携、発展させることで、トンネル工事における一連の施工プロセスの自動化を推進していく。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
山岳トンネル工事:重機搭載カメラで切羽を撮影、高精細な3Dモデルを生成 熊谷組
熊谷組は、バックホウやホイールローダーなどの重機に搭載したカメラでトンネル切羽を撮影し、掘削作業を止めずに高精細な切羽の3Dモデルを生成するモデリングシステムを開発した。
山岳トンネル工事:山岳トンネルに3ブーム自動装薬専用機導入、発破パターン自動生成と連携し実証施工
前田建設工業は福島県発注の山岳トンネル工事で、3ブーム自動装薬専用機と発破パターン作成支援システムを組み合わせた連係動作施工の実証を開始した。
山岳トンネル工事:トンネル切羽のあたり取り作業を自動化、施工中の現場で実証 安藤ハザマ
安藤ハザマとコベルコ建機は、トンネル切羽のあたり取り作業の自動化技術を開発し、施工中のトンネル現場で実証実験を行った。
山岳トンネル工事:北海道新幹線後志トンネル工事で掘削区間5キロに長距離無線Wi-Fi網、戸田建設とGRIFFY
戸田建設とGRIFFYは、北海道新幹線後志トンネル(塩谷)工事の掘削区間約5キロを対象に、長距離無線Wi-Fiネットワークを構築した。通信検証の結果、従来手法と比べて設置工期とコストの削減、通信距離の延長と安定性の改善を確認した。
山岳トンネル工事:安藤ハザマ、IOWN活用で山岳トンネル坑内の高速大容量通信を検証
安藤ハザマは、山岳トンネル工事の現場で、IOWN技術を活用した坑内の大容量高速データ通信の実証実験を行う。
山岳トンネル工事:山岳トンネルの切羽性状を定量評価、鹿島建設が「切羽評価システム」を開発
鹿島は、スマートフォン画像やLiDAR、加速度センサ、赤外線カメラなどのデータを独自ソフトで分析し、山岳トンネル工事で切羽の性状を定量的に分析/評価する「切羽評価システム」を開発した

