送電線ドローン点検の小型モジュール登場 約73%の軽量化で山間部でも適用可能に:ドローン
ブルーイノベーションは、送電線ドローン点検ソリューションの小型モジュール「BEPラインmini」を発表した。重量を200グラム未満に抑え、小型ドローンでの運用を実現。危険な昇塔作業をゼロにし、点検時間を半減させつつ、機材運搬が難しかった山間部など適用範囲も拡大する。
ブルーイノベーションは2026年5月13日、送電線ドローン点検ソリューション「BEPライン」の新モデルとして、小型モジュール「BEPラインmini」を発表した。老朽化が進む国内の電力インフラで、難易度が高かった山間部などの送電線点検をより手軽な「小型ドローン」で実現する。
「危険、高コスト、属人化」という送電線点検の課題
高度経済成長期に整備された送電線の老朽化対策は、電力/インフラ業界の喫緊の課題だ。しかし、従来の点検は作業員が鉄塔に登る「昇塔作業」やヘリコプターによる巡視、地上からの目視確認など、人手に大きく依存しており、高所作業に伴う安全リスクや多大なコストが問題視されてきた。
その解決策としてドローンの活用が進んでいるものの、送電線特有の「たわみ」による複雑な形状を持つため、3次元で追従飛行するには高度な操縦技術が求められる。そのため、ドローンパイロットの確保困難や点検品質のばらつきなどの新たな課題を生んでいた。
こうした課題を解決するために、東京電力ホールディングスとテプコシステムズとの共同開発を起点に約3年間の実証を経て実用化したのが、送電線点検専用のソリューション「BEPライン」だ。
BEPラインは、ドローンと独自の送電線追従制御モジュールを組み合わせることで、送電線に沿った自動飛行が実現する。電線までの離隔距離をリアルタイムで計測し、一定距離を維持しながら自動で追従飛行する技術により、従来は熟練操縦者に依存していた近接点検を安定的かつ安全に行える。
さらに、高解像度カメラによる近接撮影で、従来の目視点検では確認が困難だった微細な異常の把握にも対応する。点検の標準化と再現性の確保、点検品質の向上が同時に実現する。
約73%の大幅な軽量化で、点検時間を半減
今回発表されたBEPラインminiは、現場の声を形にし、システム全体を小型化/軽量化した。モジュールの重さを750グラムから200グラム未満の約73%の大幅な軽量化を図り、可搬性が格段に向上した。山間部や狭隘(きょうあい)地など、これまで機材の持ち込みが困難だった現場への展開も可能になる。また、DJI Matrice 350などの大型機だけでなく、取り回しの良いDJI Matrice 30など小型/高機能ドローンにも搭載可能になった。
機動力の向上と対応機種の拡大で、大型機×平野部から小型機×山間部まで適用現場も4倍に拡大。投資対効果(ROI)の面でも、従来3人だった運用人員を2人体制(将来は1人)へと最適化し、1径間あたりの点検時間は約3時間から1.5時間へと半減するため、作業効率が飛躍的に高まる。
システムの提供形態は、初期投資を抑えられる「モジュール貸与型のサブスクリプション形式」。今後、モジュール単体での導入を起点に、機体セットの提供や取得データを活用した報告書の自動作成(データ解析サービス)へと展開し、点検の完全デジタル化を目指す。
2026年6月3日から幕張メッセで開催する「Japan Drone 2026」で実機を初公開する予定だ。
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