球体ドローン「ELIOS 2」のデモと、独自プラットフォームで運用する“送電線点検”など4用途のドローンシステムを訴求:Japan Drone2021(1/2 ページ)
「Japan Drone2021」でブルーイノベーションは、「ELIOS 2」の機体の展示と合わせて、プラントをイメージした模型内部でのデモ飛行を行った。他にも、独自開発したプラットフォームBEP(Blue Earth Platform)をベースに、「送電線点検」「工場内自動点検」「倉庫内在庫管理」「災害用物流」の4用途に応じるドローンサービスについて、パネル解説とそれぞれに使用する機体を紹介した。
建設をはじめ産業用途のドローンが一堂に会した国際展「Japan Drone2021|第6回−Expo for Commercial UAS Market −」(会期:2021年6月14〜16日、幕張メッセ)で、ときおりローターの回転音を響かせ、実機によるデモ飛行を披露していたのは、ブルーイノベーションの展示ブースだ。
狭小空間の点検に特化して設計された機体
ブルーイノベーションは、「ドローン・ロボットを通じて世界に貢献するグローバルカンパニーになる」をビジョンに掲げたドローンの先駆的サービス・プロバイダー。デモ飛行をしていた機体は、ブルーイノベーションが日本で唯一の正規代理店を務めるスイス・Flyabilityが開発した「ELIOS 2」。国内では2019年10月に発表された機体だが、現在も「主力商品の1つ」となっている。
ELIOS 2は、下水道や煙突、ボイラー、橋梁(きょうりょう)、鉱山など、危険を伴う場所での点検作業を安全かつ効率的に行うために開発された、工場・プラント屋内点検用ドローン。
機体は、クワッドコプター(quadcopter)と、それを包み衝突からプロペラを守るトラス構造をもつ球体ガードから成る。球体ガードの直径は40センチで、標準サイズのマンホールに入るサイズだ。離陸重量は1450g(バッテリー、ペイロード、保護装置を含む)、最大飛行時間は約10分。
機体の操作は手動で行うが、飛行安定化センサー(赤外線レーザー、オプティカルフローセンサー)が本体7カ所に取り付けられており、非GPS環境でも高精度なホバリングや複雑なスペースでの飛行を難なくこなせる。等距離飛行(距離ロック)機能も搭載されているため、撮影対象物から設定した距離(30〜200センチ)を維持しながらのフライトも可能だ。
機体正面のカメラモジュール(カメラジンバル)には、4Kカメラと赤外線カメラを装着。カメラモジュールは180度チルト可能で、撮影したフルHD映像は、機体内蔵の映像電送機により、送信機に取り付けたタブレット(Andorid OS)で、リアルタイムに確認できる。
また、最大1万ルーメンまで調光可能なLEDモジュールを備え、暗所での点検の際も、小さなひび割れから被写体全体像をくまなく照らせる。ライトは防塵(ぼうじん)性能のため、粉塵(ふんじん)が多い工場屋内でも、視界を遮られることがない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.