検索
ニュース

全災害をカバーする避難誘導標識のJIS改正 火山噴火や地震を追加産業動向

日本規格協会は、自然災害が発生した際に安全な場所へ誘導する災害別の避難誘導標識の日本産業規格「JIS Z 9098」を改正した。津波用標識との統合に加え、新たに「火山噴火」や「地震」を追加した。自治体などが進める減災対策のインフラ整備が加速し、日本人だけでなく外国人にも直感的に理解しやすい避難誘導標識の普及が期待される。

Share
Tweet
LINE
Hatena

 日本規格協会は2026年4月3日、自然災害の発生時に人々を安全な避難場所へと導く「災害種別避難誘導標識システム」に関する日本産業規格「JIS Z 9098:2026」を2026年3月24日に発行したと発表した。

 今回の改正で、自治体などが進める減災対策やインフラ整備が一層加速し、日本人のみならず外国人にも直感的に理解しやすい避難誘導標識の普及が期待される。

「日本発」の国際規格をベースに、標識の表示内容や設置方法を再規定

「JIS Z 9098:2026」の規格書
「JIS Z 9098:2026」の規格書。日本規格協会グループのWebサイトで購入可能 出典:日本規格協会プレスリリース

 日本は東日本大震災の教訓から、言葉に頼らず図記号(ピクトグラム)を用いて人々を迅速に誘導する避難誘導標識システムを構築し、2016年に「JIS Z 9098」を制定した。国際的にも評価され、2022年には国際規格「ISO 22578」も発行されている。

 今回の改正は、国際規格との整合性を図ることも目的の一つとしている。言葉が通じない状況や夜間の暗闇でも、誰もが瞬時に避難経路を把握できる社会の実現に向け、標識の表示内容や設置方法に関する構成要件を整理した。

今回のJIS改正のポイントは、複数のJISの統合と適用範囲の拡大
今回のJIS改正のポイントは、複数のJISの統合と適用範囲の拡大 出典:経済産業省プレスリリース

 これまでは、津波避難に特化した別規格「JIS Z 9097」が並立していたため、規定内容に重複があった。JIS Z 9098:2026は、津波、高潮、洪水、内水氾濫、土石流、崖崩れ/地滑り、大規模な火事など、あらゆる災害に対応する避難誘導標識システムとして一元化した。全ての災害に共通する要件を統一して規定したことで、全国どこでも一貫性のある分かりやすい運用が可能になる。

災害種別による避難誘導標識システムの一元化
災害種別による避難誘導標識システムの一元化 出典:経済産業省プレスリリース

新たに「火山噴火」と「地震」が適用範囲に、シェルター図記号も導入

「噴石シェルタ[退避ごう(壕)]」
「噴石シェルタ[退避ごう(壕)]」 出典:日本規格協会プレスリリース

 さらに、近年の頻発する巨大災害のニーズに応えるべく、適用範囲に「火山噴火」と「地震」を追加。「洪水/内水氾濫」と「火山噴火」は、発生する危険のある地域などの注意標識に表示する意図記号を加えた。また、登山者などが噴石から緊急的に身を隠せる施設を示す「噴石シェルタ[退避ごう(壕)]」という新しい図記号も導入した。

 他に、避難場所がその災害に適しているかを示す適不適表示マーク(「○」「×」マーク)について、外国人など文化的な違いを考慮し、緑(○)や赤(×)への色分けを可能にした。

「火山噴火」と「地震」の図記号を追加。
「火山噴火」と「地震」の図記号と 出典:経済産業省プレスリリース
「適不適表示マーク」の記載例
「適不適表示マーク」の記載例 出典:経済産業省プレスリリース

 JIS改正で、建設業界でも道路や公共施設、観光地などでの標識設置/更新工事をはじめ、スマートシティーや防災拠点の開発で、新しい基準に適合したサインや空間の設計が求められるようになる。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る