インフラ・施設などの資産管理を実現する「ISO 55001」をゼネコン初取得、三井住友建設:LCM
三井住友建設は、2019年1月21日にゼネコンとして初めて「アセットマネジメントシステム(AMS)」の国際規格「ISO 55001」の認証を取得した。
三井住友建設は、「アセットマネジメントシステム(AMS)」の国際規格「ISO 55001」の認証をゼネコンで初めて取得した。
橋梁マネジメント技術で持続可能なインフラづくりが評価
ISO 55001は、組織がもつ物的資産(アセット)をコストとリスクとパフォーマンスの3つのバランスを考慮しつつ、そのライフサイクル期間で最大の資産価値を生み出すことを目的に制定された国際規格。
三井住友建設では、1959年に国内初の“片持ち張出架設工法”で施工された嵐山橋(神奈川県)をはじめ、これまでに4500橋を超えるプレストレストコンクリート橋梁(きょうりょう)を建設。1960年代からは管理者と協力しながら、自社施工の橋梁に対する自主的な点検・診断を行い、必要に応じて対策工も提案してきた。
今回、こうした同社の土木本部/技術本部 土木リニューアル部門の橋梁における点検、診断、処理(補修・補強)提案、長期メンテナンス計画や関連する技術開発などが評価され、建材試験センター(JTCCM)においてISOの認証を受けた。適用規格はISO 55001:2014(JIS Q 55001:2017)。登録日は2019年1月21日で、有効期限は2022年1月20日。
ISO 55001は、2014年に発行された公共的・公益的な社会インフラおよび民間の物的資産(アセット)の全てを対象とするAMSの国際規格。取得することで、公共機関では、老朽化する国内のインフラや施設などの保全・維持管理事業の補完、優れた維持管理システムや技術が証明され、国際的なインフラビジネスの優位な展開が見込める。これまで、仙台市の下水道事業を皮切りに、上下水道、道路、橋梁、河川、砂防などの維持・管理・AMSに関するコンサルティングなどを行う、地方自治体や土木会社、建設コンサル、水事業会社などが取得している。
三井住友建設では今後、「橋梁分野におけるマネジメント技術の蓄積・活用に努め、さらに他の分野に関する認証の拡大も図り、持続可能で強靭な国土と質の高い社会インフラづくりに貢献していく」とコメントしている。
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