AIと多脚式ロボットで下水道管路点検を高度化、劣化予測モデルも検証:スマートメンテナンス
NTTドコモソリューションズ、京都府流域下水道事務所、テムザックは、京都府内で下水道管内の点群データ解析とAIを用いた減肉の定量把握と、劣化予測モデルの適用可能性について検証した。
NTTドコモソリューションズ、京都府流域下水道事務所、テムザックは2026年3月24日、下水道管路点検業務の高度化に向けた調査/検証を実施し、点群データ解析とAIを組み合わせた減肉の定量把握と、劣化予測モデルの適用可能性を確認したと発表した。
検証は京都府内の流域下水道管路を対象に、2025年4月から12月にかけて行った。
下水道管の減肉定量把握に関する検証では、テムザックの下水道管内走行用多脚式ロボットにLiDARを搭載し、管内の点群データを取得。取得データを基に、NTTドコモソリューションズが開発したAIで新設時の管壁形状を推定し、現状との差分解析を実施した。解析の結果、対象区間の一部で腐食に伴う減肉の深さと範囲を定量的に把握し、可視化することに成功した。形状推定は誤差約1センチの精度を確認している。
また、下水道管路への劣化予測モデルの適用に関する検証では、京都府が保有する過去の点検データを用い、NTTドコモソリューションズが道路/橋梁分野で展開している混合マルコフ劣化予測ハザードモデルの下水道分野への適用可能性も分析した。分析では劣化が進みやすい区間の推定や期待寿命の算出、劣化要因の分析を実施。周辺にカーブが存在する区間で期待寿命が短くなる傾向が示唆されるなど、現場での経験則と一部整合する結果が得られた。劣化速度を踏まえた点検優先度の設定や、将来の修繕、更新計画の最適化に向けた活用の可能性が見込まれる。
今回の検証では、ロボットに搭載したLiDARで取得した点群データ解析による減肉の定量的な把握と、過去の管路点検データに基づく劣化予測モデルを使用したデータ分析を実施した。一方で、結果の妥当性や適用範囲の評価にはさらに検証が必要だとしている。NTTドコモソリューションズは今後も検証を継続し、パートナーと連携して自治体や下水道点検事業者への展開を目指す。
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