鉄道工事GX 東急線高架下整備工事に省CO2/省力化コンクリを適用:カーボンニュートラル
東急建設と東京理科大学が共同開発した省CO2/省力化コンクリート「ハイプロダクリート」が、神奈川県横浜市「東横線日吉駅〜綱島駅間高架橋下整備工事」に適用された。普通ポルトランドセメントと比較してコンクリート工事のCO2排出量を66%削減した。
東急電鉄、東急建設、東京理科大学は2026年3月31日、省CO2/省力化コンクリート「ハイプロダクリート(High-producrete)」を、神奈川県横浜市の「東横線日吉駅〜綱島駅間高架橋下整備工事」に初適用したと発表した。
工事は2026年1月7日に着手し、高架橋下の舗装にハイプロダクリートを適用した。従来の普通ポルトランドセメントと比べてコンクリート工事のCO2排出量を66%削減、施工時間を約60%削減した。
研究開発段階とは異なる構造物に適用した場合でも、ハイプロダクリートがCO2排出量削減と施工の省力化を図れると確認。また、施工時に使用する発電機などの稼働時間が減少するため、騒音や振動の発生時間短縮による周辺環境への負荷低減にもつながるとしている。
ハイプロダクリートは、生産性向上を実現するコンクリートの総称で、国土交通省関東地方整備局の「大学等研究機関とのマッチング」制度を活用し、東京理科大学と東急建設が2025年に共同開発した。今回適用したのは、コンクリートの主要なCO2排出源であるポルトランドセメントの大部分を、副産物やリサイクル材料などの資源循環材料を用いた混和材に置き換え、CO2排出量を削減するタイプだ。従来のスランプ管理型コンクリートよりも流動性を高め、施工の合理化と省力化を可能にした。
2030年までにスコープ1、2を55%削減
東急グループは2025年9月に発表した「環境ビジョン2040」で、スコープ1、2(直接排出、エネルギー起源の間接排出)の温室効果ガス(GHG)排出削減量を、2019年度比で2030年度で55%削減、2035年度60%削減、2040年度に73%削減、2050年に実質ゼロとする目標を掲げている。
今回の取り組みは、鉄道工事のGX(グリーントランスフォーメーション)一環として実施。東急建設ら3社は今後、今回適用したハイプロダクリートの実環境下におけるCO2吸収量の調査を進め、ライフサイクル全体でのCO2収支の試算に取り組む方針だ。併せて、東急電鉄と東急建設は、建設機械や燃料の脱炭素化も推進していく。
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