草刈りロボとNTTドコモビジネスの位置情報サービスが連携 高精度な自動走行を支援:ロボット
マゼックスのスマート草刈機「Taurus80E」と農薬散布ロボ「Aries300N」が、NTTドコモビジネスの 高精度GNSS位置情報サービスと連携した。RTK-GNSS測位を活用したセンチ級の自律走行で、危険を伴う法面や荒地の作業を高精度に自動化する。
マゼックスは2026年3月6日、ALLYNAVの草刈機ロボット「Taurus(タウラス)80E」と農薬散布ロボット「Aries(アリエス)300N」を対象に、NTTドコモビジネス(旧NTTコミュニケーションズ)が提供する「docomo IoT 高精度GNSS位置情報サービス(Network-RTK方式)」との連携を発表した。
GNSS単独による自動運転に対し、Network-RTKの補正情報を活用してセンチ級測位を行うことで、走行ラインの再現性や作業品質の安定化が実現する。
RTK基地局不要で、センチ級の高精度自動運転を実現
工事現場の法面や湿地、荒地などの草刈り作業は、飛び石や転倒、炎天下作業などのリスクを伴い、人手不足や高齢化の進行と相まって継続的な負担が課題となっている。果樹園などの農業でも、走行ラインや草取りのムラを抑えるため、より高精度な自動走行が求められている。
そうしたニーズに応えるマゼックスのTaurus80Eは、マップ上や作業者が歩いてポイント作成などの方法で草刈りしたい範囲を設定すると、システムが自動で走行ルートを生成する。最初から自動ではなく、マニュアル操作で一度移動させた軌跡をそのまま記憶し、次回以降はルートを呼び出す半自動モードも搭載している。稼働時間は満充電で最大約5時間。石や硬い障害物に接触した際、刃が逃げる構造のフリー刃を採用し、より過度な負荷がかかった場合は電子制御で刃が自動停止する仕組み。副刃アームも標準装備し、鉄柱周りや株元刈りにも対応する。
Aries300Nは、自律走行、障害物回避、故障監視システムを統合したハイブリッド(ガソリン/電気)駆動の果樹園用散布ロボット。クローラー式シャシーとコンパクト設計により、最大30度の傾斜地でも、その場で旋回して傾斜運転が可能で複雑な環境にも適する。
今回、本格連携するdocomo IoT 高精度GNSS位置情報サービスは、Network-RTK方式で必要となる位置補正情報を配信するサービス。国土地理院の電子基準点とNTTドコモ独自の基準点を活用し、広域利用に応える。自営の基準点設置は不要で、手軽に高精度測位を利用できる。
Network-RTKの補正情報を活用すると、走行ラインの再現性、作業の重なり管理、狭小部や曲線が多い現場でのルート追従性など、精密さの向上につながる。
サービスの利用には、docomo IoT 高精度GNSS位置情報サービスの契約(ID発行など)が必要となる。タウラス80E/アリエス300Nは、Network-RTKの補正情報を取り込む受信/連携機能を標準搭載しているため、別途GNSS受信機を用意しなくてもよい。
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