パナソニックがエコキュート全53機種をフルモデルチェンジ:製品動向
パナソニック 空質空調社は、家庭用ヒートポンプ給湯器「エコキュート」全7シリーズ53機種をフルモデルチェンジし、2026年6月26日から順次発売する。ウルトラファインバブル搭載機種を追加し、清掃性や温浴効果を付加することで個人のQOL向上につなげる。
パナソニック 空質空調社は2026年3月25日、家庭用ヒートポンプ給湯器「エコキュート」の新製品発表会を開催した。全7シリーズ53機種をフルモデルチェンジし、エネルギーインフラとしてだけでなく、清掃性や温浴効果を付加することで個人のQOL向上にもつなげる。新モデルは2026年6月26日から順次発売し、年間12万台の販売を目指す。
2つの微細な泡の力で清掃性と温浴効果を高める
発表会に登壇したパナソニック 空質空調社 A2W&水ソリューション事業部 事業部次長 高田智仁氏は「エコキュートは単にお湯を沸かす給湯機でなく、再生可能エネルギーを生かし、社会と暮らしを支える環境貢献エネルギーアセットに進化してきた。社会的要請に答えるだけでなく、ユーザーに使い続けたいと感じてもらうことも大切だ」と強調した。その上で「今回はウルトラファインバブルによる高い清掃性、新製品全53機種が給湯省エネ2026補助金の対応、再エネ拡大による電気料金メニューへの対応など、家族や社会にとって価値のある商品を開発した」と開発の背景を説明した。
新製品は、大きさと性質が異なる微細な泡「ウルトラファインバブル」と「マイクロバブル」を活用する。ウルトラファインバブルは、毛穴(直径0.3ミリ)よりも小さい直径1マイクロメートル未満の目に見えない泡だ。長時間水中にとどまり、固着物の隙間に入り込んで剥離させる「ジャッキアップ効果」を持ち、キッチンのぬめりや浴室のピンク汚れ、肌の皮脂汚れなどを落としやすくする。今回、2つのノズルプレートで水中の空気を分断/せん断することでウルトラファインバブルを生成する装置を新たに開発し、エコキュートに搭載した。
マイクロバブルは直径1〜100マイクロミリ未満の目に見える泡で、泡が皮膚に熱を伝わりやすくし、風呂上がり後に湯冷めしにくくなる。マイクロバブルはパナソニックグループで販売しているバスルームの浴槽オプション機能「酸素美泡湯」として22年間で10万台の販売実績がある。
新たにウルトラファインバブルを搭載したのは、機能性を重視したプレミアムクラス「JXシリーズ」、効率性を重視したプレミアムクラス「JPシリーズ」、ミドルクラス「Jシリーズ」、スタンダードクラス「Eシリーズ」の合計16機種。配管への搭載方法はシリーズにより異なり、JX/Eシリーズは給湯配管内に、JP/Jシリーズは給湯配管とふろ配管内の両方にウルトラファインバブルを発生させる。
16機種のうち、JXシリーズ4機種はマイクロバブルを活用した「美泡湯eco」を追加。「酸素美泡湯」とエコキュートの「eco」と組み合わせた名称で、ポンプで加圧した湯に溶解タンクで空気を溶け込ませ「ふろ接続アダプター」で減圧することでマイクロバブルを発生させる仕組みだ。浴槽の湯をマイクロバブルで白濁させ、潤いや入浴後のぬくもりを持続させる。
省エネ補助金の対象に、施工性も改善
ヒートポンプユニットの圧縮機を高性能化し、貯湯ユニット内の自社開発「高性能真空断熱材」の配置を最適化することで保温効率を向上。JPシリーズでは年間給湯保温効率(JIS)4.1を達成した。全53機種が給湯省エネ2026事業補助金(高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業費補助金)の対象となる。また、太陽光発電との併用や各電力会社が提供する多様な電気料金メニューにも対応する。
施工面も改善した。ヒートポンプユニット設置時のエア抜き作業を自動化した他、持ち手を大きくして持ちやすく改良。さらに、貯湯ユニット底面の形状を変更して配管引き回しスペースを拡大した。


夜間だけでなく昼間が割安な電気料金メニューにも対応(左)、アプリ画面右上に。昼間沸き上げるプランを示す「昼間型」の表示(右)、エコキュートリモコン。右の浴室リモコンには美泡湯eco用のセンサーが内蔵(右)日本冷凍空調工業会の調査によると、エコキュートの出荷台数は2022年度に過去最高の年間70万台超を達成。2024年には累計1000万台に到達した。オール電化初期ユーザーの買い替えやZEH需要で増加傾向にあり、今後も拡大が続く見通しだ。パナソニックは滋賀県草津市の生産拠点で、2023年度に20万台超を生産しており、2030年度に30万台の出荷を目指す。
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