高輪ゲートウェイシティが国交大臣賞 国内最大級の蓄熱槽を核に街区脱炭素化:カーボンニュートラル(1/2 ページ)
脱炭素社会の実現に向けた優れた都市づくりの取り組みを表彰する「第2回脱炭素都市づくり大賞」で、JR東日本の「TAKANAWA GATEWAY CITY」が国土交通大臣賞、清水建設の「温故創新の森 NOVARE」が環境大臣賞を受賞した。どちらも建物内へのバイオガス設備導入や水素活用、街区内の熱融通といった最新エネルギーシステムの導入に加え、周辺への波及効果などが評価された。
脱炭素社会の実現に向けた優れた都市づくりの取り組みを表彰する「第2回脱炭素都市づくり大賞」の授賞式が、2026年1月15日に都内で開催され、JR東日本の「TAKANAWA GATEWAY CITY(高輪ゲートウェイシティ)」が国土交通大臣賞を、清水建設の「温故創新の森 NOVARE(ノヴァーレ)」が環境大臣賞を受賞した。
審査委員長を務めた村木美貴氏は、大臣賞を受賞した2つのプロジェクトについて、建物内へのバイオガス設備導入や水素活用、街区内の熱融通といった数多くの最新エネルギーシステムの導入について高く評価。「プロジェクト単体での取り組みだけでなく、周辺への波及効果や周囲を巻き込むチャンスを創出しているかを重視した」と明かした。
一方で「脱炭素はエネルギー問題にとどまらない。緑地創出や歴史的建造物の活用を含め、都市としての価値をいかに高めるかが重要だ」と指摘。「受賞したプロジェクトが今後の都市再生のショーケースとなり、次の都市づくりにつながることを期待している」と述べた。
国内最大級の蓄熱槽と地域冷暖房設備の導入
国土交通大臣賞を受賞した「TAKANAWA GATEWAY CITY(高輪ゲートウェイシティ)」は、東京都港区の「品川車両基地」跡地での駅と街が一体となった都心最大級の街づくりプロジェクト。
南北約1.6キロに及ぶ街区では、2025年3月に高さ約160メートルのツインタワー「THE LINKPILLAR 1(ザ リンクピラー ワン)」が先行して開業。オフィスや国際会議に対応するコンベンションセンターに加え、約180の商業施設、ラグジュアリーホテルなどがオープンしている。2026年3月28日には、オフィスや商業施設の他、クリニックやフィットネスなども入居する地上31階建て「THE LINKPILLAR 2」などがグランドオープンを迎える。
JR東日本 常務取締役 中川晴美氏は「開発地は約150年前、海上に高輪築堤(たかなわちくてい)を築き、日本初の鉄道が走ったイノベーションの地。新たに『100年先の心豊かな暮らしのための実験場』と位置付け、街に集う共創パートナーとソリューションを生み出すとともに、街全体での実証実験により磨き上げ、日本各地や世界中に展開していくことを目指している」と述べた。
TAKANAWA GATEWAY CITYでは、国内最大級の蓄熱槽と地域冷暖房設備の導入、敷地全体への設備洞道の整備により、敷地内と周辺施設へのエネルギーの面的利用を図る。加えて、熱の需給連携型エネルギーマネジメントや東日本初となる食品廃棄物由来の「ビルイン型バイオガス設備」など新規性の高いエネルギー技術を導入し、大規模開発ならではのエネルギー削減と効率化を推進する計画だ。
エネルギーマネジメントの中枢を担うのが、THE LINKPILLAR 2の地下に導入する蓄熱槽だ。需給予測に基づきエネルギーを最適に制御し、エネルギー使用量の削減とCO2排出量の抑制に寄与する。ビルイン型バイオガス設備では、街区の飲食店舗から排出される食品残渣を資源として熱エネルギーへ変換し、ホテルの給湯熱源として活用する循環型システムを構築。省エネや創エネの仕組みと組み合わせることで、街が提供するエネルギーのCO2排出量を実質ゼロを目指す。
街への物流は、外部デポ(小型物流拠点)で荷物を集約し、まとめて配送する「集約型館内キャリー」を導入することで物流トラックの流入台数を削減。燃料電池トラックも活用するなど、移動の低炭素化にも取り組んでいる。
さらに、在来種を基調とした約2.7ヘクタールにも及ぶ緑地により、地域に根ざした景観を形成し、生物多様性に配慮したビオトープも整備予定だ。
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