大成建設、メタバースと危険体感装置で安全教育 全国12拠点で展開:メタバース
大成建設は建設現場で働く技能者を対象に、全国12拠点でメタバースや危険体感装置を活用した「安全アカデミー」研修を開催している。2025年度は全国の現場で働く約3000人の受講を見込んでいる。
大成建設は2026年3月18日、建設現場で働く技能者を対象に、メタバースや危険体感装置を活用した安全教育プログラム「安全アカデミー」研修を全国12拠点で開催していると発表した。
安全アカデミー研修は、2024年から若年社員向けに実施してきた取り組みをベースに、現場技能者向けの新たなプログラムとして2025年4月に開始した。2025年度は全国の現場で働く、派遣社員も含む約3000人の受講を見込んでいる。各拠点で5日間にわたり、1日完結型の研修を実施している。
建設現場では、現場経験の浅い新規入職者だけでなく、経験豊富な技能者でも、作業への慣れによって危険に対する感受性が鈍ることがある。大成建設は、こうした状況が不安全行動や瞬時の油断、とっさの不用意行動につながり、思わぬ労働災害を招く可能性があるとして、研修を通じた安全意識の再確認を図る。
危険を体感するシミュレーション研修では、メタバース空間での「墜落/転落災害の被災体験」や、専門装置を使った「回転体による巻き込まれ体験」「工具の跳ね返り体験」を実施する。実際の災害を疑似体験できるプログラムを通じて、労働災害の怖さと安全意識の重要性を再認識させる。
また、過去の災害事例映像をもとに、事故がなぜ起きたのか、どうすれば防げたのかを参加者自身が考える研修も行う。災害を自分ごととして捉える力を養う。さらに、仮想空間に再現した建設現場で、施設不備や不安全行動を見つける「バーチャル安全パトロール」も実施する。ゲーム性を取り入れながら、安全確認の要点を学ぶ。
受講者アンケートでは、「従来にない切り口の研修で、自社社員にも受講させたい」「自社の安全教育にも取り入れたい」といった声が寄せられたという。「実際の災害映像を見て、再現CGでは感じなかった恐怖を覚え、災害は一瞬で起こることを理解した」とする感想もあった。
大成建設は今後も研修を通じて、建設現場での事故ゼロを目指し、より実践的で参加型の安全教育を推進する。労働災害撲滅に向けた啓発活動も、これまで以上に強化していくとした。
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