清水・竹中らが8億円出資 ゴーレムの建設AIプラットフォーム提供開始:AI
ゴーレムは、清水建設や竹中工務店など5社から総額8億円を調達し、建設AIプラットフォーム「Gorlem Platform」の本格提供を開始した。建設現場にあふれる見積書や発注書などの非構造化データをAIで高精度に処理し、建設コスト分析やCO2算定に役立てる。新たに図面チェックや施工計画など4つのアプリも追加し、今後は建設業の生産性向上とカーボンニュートラルの同時達成を目指す。
建設データプラットフォームを運営するゴーレムは2026年2月12日、ANRI、清水建設、竹中工務店に加え、投資事業有限責任組合のHHP共創ファンド1号(有限責任組合員:阪急阪神不動産)とMIRAITRONCの5社を引受先に、総額8億円の資金調達を実施したと発表した。同時に、建設生産を支援するデータプラットフォーム「Gorlem Platform」を進化させ、本格提供を開始する。
最新のAI技術を「安全に、早く、柔軟に」現場へ
Gorlem Platformは、見積もり・設計・施工などの各プロセスで生み出されるデータを構造化し、AIによる自動解析と業務標準化を実現する基盤だ。現状ではバラバラに管理されている見積書や発注書を構造化データに変換し、AI分析で工事の見積管理やCO2算定/予測など、建設コストデータベースとして活用できる。
プラットフォームでは、最新のAI技術を「安全に、早く、柔軟に」現場へ届けるため、3層構造の独自アーキテクチャを採用している。外部から隔離された専用ネットワーク環境内でAIを稼働させ、機密情報を保護する。見積書などの現場にあふれる「非構造化データ」をAIが直接かつ高精度に処理可能な形式へ統合する仕組みだ。
特定のAIエンジンに依存しない「疎結合設計」により、常に最適な最新技術を選択/切り替えできる。Excelや独自アプリなど、現場の多様なツールからの要求を中央で統括し、ガバナンスの効いた一貫性のある回答を提供する。
さらに、既存業務をAI化する「ネイティブ統合」で、日常的に使用するExcelやスプレッドシート、既存システムにAI機能を直接埋め込み、新たなツールを習得する現場負担を最小限に抑える。プロジェクト間のデータも結合することで、高度な比較や予実管理が実現する。
プラットフォーム上には、これまで提供してきたホールライフカーボンを算定する「排出量算定」「排出量算定/土木&排出量算定/水処理施設」や「購買仕分」「長期修繕算定」のアプリケーションを搭載。今回新たに、データを高度に分析処理する「実績分析&概算/予測」、図面による工事計画のチェックができる「図面チェック」、施工計画や工程表を自動で生成する「施工計画」、建築工事の見積もり業務を行う「見積管理」の4アプリを追加した。
今後、清水建設、竹中工務店、阪急阪神不動産とは、Gorlem Platformの現場実装を前提とした共同検証を進める。ゴーレムは今回の発表を「一の矢」と位置付け、サプライチェーン管理や資材調達、施工後の運用支援へと段階的に領域を拡大していく。その後、完全なデータや業務標準の実現を「二の矢」、建設の自動化を「三の矢」として放ち、生産性のイノベーションを起こし、2030年までに建設業の生産革新とカーボンニュートラルの同時達成に貢献する。
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