“広域品川圏”で「Suica」を軸にLX(ライフスタイルトランスメーション)を目指す、JR東の共創街づくり始動:プロジェクト(2/2 ページ)
JR東日本は、浜松町駅から大井町駅間の「広域品川圏」で、国際都市TOKYOの未来を拓く都市開発の方向性として共創型都市エリア戦略を打ち出した。各駅と街の開発を点ではなく、エリアで捉え、2030年代半ばまでにはグループ保有ビルの床面積約150万平方メートル、営業収益約1000億円超/年の事業展開を構想する。
「THE LINKPILLAR 2」に、国内最大級となる蓄熱層のエネルギーセンター
モビリティーでは、駅から目的地までの「ラストワンマイル」を補完し、移動そのものが観光資源にもなる水上交通、環境負荷の少ないエネルギーを採用した水素バス、飛ぶクルマや、オンデマンドモビリティー、自動運転の実証実験などを検討する。
TAKANAWA GATEWAY CITYには、「泉岳寺」駅に直結し、クリニックとフィットネスを備える大規模複合棟「THE LINKPILLAR 2」を建設する。地下には、国内最大級の蓄熱層を有するエネルギーセンター「Energy Management Center」を配置し、AIによる熱源制御で高効率なエネルギーマネジメントを実現する他、ロボティクスやドローンなどを活用した設備点検/監視で省人化を実現する。
低層部商業エリア「NEWoMan TAKANAWA MIMURE」は、「100年先も続く、都心のコミュニティービレッジ」をコンセプトに、8000平方メートルの一体空間に11のラボラトリー(オープンファクトリーなどを併設する飲食店舗)が広がり、身体と心を整える新しい食体験を届ける。生物多様性に配慮したビオトープ「Link Biotope」が併設し、エコロジカルな住空間の形成や環境学習/賑わいづくりの場となる。
他にも住戸では、総戸数847戸のプレミアムレジデンス「TAKANAWA GATEWAY CITY RESIDENCE」が2026年5月に入居を開始する。低層部には学校法人東京インターナショナルスクールが26年8月に新校舎が開校。5階エリアには1カ月単位での滞在が可能な12戸の住居「Link Life Lab」を設置し、住居内はSuicaと連携したスマートホームサービスをベースに、睡眠状態や腸内環境のチェック機能が搭載された住戸設備の他、入居者限定のウェルネス&ヘルスケアサービスも提供する。
また、街づくりを進める中で出土した「高輪築堤」については、日本で初めて鉄道が走ったイノベーションの地としての記憶を次の100年に継承。国指定史跡の第7橋梁(きょうりょう)部と公園部の現地保存/公開を2027年度に計画し、当時の風景をそのままに実感できるようにする他、先端技術を活用した展示などで、鉄道開業期のイノベーションを体感可能にする。
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