BIM/CIMを進化させるゼンリンの3D地図と点群 PLATEAUとの比較や熱海災害などの現場事例:Archi Future 2024 Look Back(4/4 ページ)
ゼンリンとローカスブルーは「Archi Future 2024」に登壇し、3D地図と点群をBIM/CIMによる建設DXをさらに進化させるツールと位置付け、設計提案から熱海の土砂崩れなどの災害対応まで、現場実務での3Dデータ活用例を紹介した。
災害対応からPLATEAU整備まで、用途範囲が広がるScanX
ScanXは、災害対応の現場でも活躍しており、宮谷氏は熱海市の土砂災害と能登半島地震の事例を紹介した。
熱海では、静岡県が災害前に取得していた点群データをもとに、被災前後の建物を比較。被災前の屋根をグレー、現存する屋根をオレンジで表示することで、全壊した建物を一目で把握した。
こうした被災前後を比較したデータは、災害復旧計画だけでなく、損害保険会社の保険金査定や自治体の被災状況の記録/分析にも活用されたという。
能登半島地震の事例では、地震による地盤隆起を可視化するためにScanXを用いた。災害後に取得した点群から地面だけを抽出し、災害前のデータとの比較で、最大約4メートルの隆起を確認した。
宮谷氏によれば、ScanXはPLATEAUの整備にも活用されている。通常は「地面」「植物」「人」など基本分類に対応しているが、PLATEAUの分類では、首都高速の整備プロジェクトで、高欄、道路面、主桁、橋脚といった構造要素をAIで自動識別するように、専用の分類アルゴリズムを開発した。その結果、構造要素振り分けなどの工数を7〜8割削減できたという。
ScanXの価値について宮谷氏は、「導入のしやすさ、直感的な操作性、そして点群処理の実用性という3つの強みを備えている。点群をもっと活用したいという現場の要望に応える“第一歩”として、これからもその役割を果たしていきたい」と展望を口にした。
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