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空き家特措法の「管理不全」を勧告した自治体は6%のみ、実態調査:空き家問題(2/2 ページ)
クラッソーネは、空き家対策に取り組む183の自治体を対象とした実態調査の結果を発表した。新設された「管理不全空き家」の制度に基づいて勧告した自治体は、全体の6.0%に留まった。過半数の自治体で、予算や人員が不足していることが明らかになった。
過半数の自治体で予算や人員が不足
制度運用の停滞は特に人口規模の小さな自治体で顕著で、人的リソースの不足や他部署との連携の難しさがネックになっている。例えば、管理不全空き家などの勧告に伴い固定資産税の減免を解除する必要があるが、課税部門との調整が進んでいない。
空き家対策に充てられる予算や人員については、54.6%の自治体が「不満」または「やや不満」と回答した。予算が前年度から増えたとした自治体は28.4%しかなく、予算のない中で対応を強いられている現状が露わになった
こうした状況を受け、全国空き家対策コンソーシアムでは今後、基礎自治体での空き家対策業務に資するガイドライン整理と共有、民間企業との連携などを支援していくとしている。
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