“トゥルーカラー”を再現するモバイルレーザースキャナー「Pocket2」発売、FLIGHTS:現場管理
FLIGHTSは、6つの専用カメラで“トゥルーカラー”を再現するモバイルレーザースキャナー「Pocket2」を発売した。LaserとVisualを組み合わせたハイブリッドSLAM技術を採用し、自己位置推定の高い精度を実現。土木の施工管理や出来形確認、プラント設備の保守管理などの用途で、あらゆる空間をデジタルツイン化する。
FLIGHTSは2025年9月4日、6つの専用カメラで“トゥルーカラー”を実現する香港に本社を置くセンサーメーカーManifold Tech製モバイルレーザースキャナー「Manifold Tech MindPalace Pocket2」を発売した。
6つの専用カメラで「トゥルーカラー」再現
近年、建設業界やプラント設備、不動産管理など、幅広い分野で3Dデータの活用が急速に進んでいる。しかし、従来のレーザースキャナーは専門知識を要するものが多く、測量や計測を専門としない方々が手軽に高い精度のデータを取得するには、ハードルが高かった。
Pocket2は、こうした課題を解決するために開発された製品。最大の特長となる6つの専用カメラは、高精度な3次元点群データの取得と同時に、対象物の色彩を忠実に再現し、「トゥルーカラー」を実現。まるでその場にいるかのような臨場感あふれる成果物を直感的な操作で作成できる。
レーザーを使用する「Laser SLAM」と、可視光カメラを用いる「Visual SLAM」を組み合わせたハイブリッドSLAM技術で、自己位置推定の精度が大幅に向上。RTK-GNSSやPPKにも対応し、大規模な現場やGNSSの届きにくい環境でも安定した点群データ取得を可能にする。
主な想定用途は、建設現場での施工管理や出来形確認、既存建物のBIM/CIM化、プラント設備の保守管理、さらには不動産のデジタルアーカイブまで多岐にわたる。
FLIGHTSはPocket2の提供を通じ、3Dデータ取得のハードルを下げ、測量や土木分野にとどまらないあらゆる業界でのデータ利活用を後押ししていく。
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