自動充電ポート付きドローンを建設現場に1年間常設、レベル3飛行で遠隔自動測量継続:ドローン
Liberaware、KDDIスマートドローン、大林組の3社は、建設現場に自動充電ドローンを常設し、レベル3の目視外飛行による遠隔自動測量を1年間継続運用した。
大林組は2025年8月29日、Liberaware、KDDIスマートドローンと、建設現場に自動充電ポート付きドローンを常設し、現場補助者なしの目視外飛行(レベル3)による遠隔自動測量を1年間にわたり継続運用したと発表した。
大林組が施工する上信越自動車道(落石対策)北野牧工事で、2024年7月27日から、自動充電ポートを備えたドローンで週次の遠隔自動測量を実施。掘削量(体積)や現場の地形など進捗状況を高精度な可視化を実現した。
今回の運用では、KDDIスマートドローンの遠隔運航サービスを活用。東京都内のオフィスから週1のドローン遠隔操作で2フライト(測量、パノラマ写真撮影)実施。ドローンポートからの自動離着陸、現場全体の撮影、撮影データのクラウド転送まで継続運用した。撮影データはリベラウェアが3D点群化して解析し、掘削量を算出して工事進捗を可視化した。のり面状況の詳細な撮影も実現した。従来は2人で2日間かかっていた作業を、約20分の遠隔運航により、現場では無人で実現可能だと確認した。
今後、大林組は運用の知見を、出来形管理や品質管理に応用する。また、ダム建設工事など他の土木分野への展開、夜間や悪天候下での安定運用、さらなる自動化技術の実装も推進する。
今回の取り組みは、国土交通省「中小企業イノベーション創出推進事業(SBIRフェーズ3基金事業)」で採択された「建設現場における施工管理の省力化/高度化技術の開発」の一環として実施している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
ドローン:屋内工事の進捗管理にドローン活用で“完全無人巡回”を実現、大林組とNTT Com
大林組とNTTコミュニケーションズは、ドローンを用いた完全無人巡回による工事進捗管理の実証実験を3カ月間実施した。屋内建設現場の巡回が10分に短縮する。ドローン:Starlinkとポート付きドローンで目視外自律飛行、現場監理の時間を8割短縮 大林組とKDDI
大林組とKDDIスマートドローンは、目視外で自律飛行し、建設現場やインフラの巡視、点検、計測、異常検知を自動で行うドローンシステムを開発した。実証では、現場監理業務の時間を80%削減し、官民研究開発投資拡大プログラムでA評価を獲得した。ドローン:大林組とトップライズが世界初、トンネル坑内の動的障害物を回避する自律飛行ドローンを実証
大林組とトップライズは、カーネギーメロン大学 嶋田憲司氏の協力を得て、トンネル坑内の非GNSS環境下で3D地図をリアルタイムに自動生成して、作業者や重機を回避しながら、掘削形状を計測するドローンを開発した。Japan Drone 2023:建設現場の自動巡回からLTE上空利用まで、キャリアの強みで“レベル4解禁”の利用拡大に応えるドコモビジネス
ドコモグループの法人事業ブランド「ドコモビジネス(docomo business)」は、「Japan Drone 2023|第8回」の展示ブースで、建設をはじめ、農業、物流などの用途で社会実装を進める多様なソリューションを紹介した。遠隔臨場:セーフィーの遠隔臨場カメラに、2024年問題を解決する多数の新機能 大林組と鹿島が現場採用した理由とは?
建設現場の遠隔管理ツールとして、多数の導入実績があるウェアブルクラウドカメラ「Safie Pocket」。最新の「Safie Pocket2 Plus」は、モバイル充電器から本体へ直接給電が可能になった他、クリアな通話や手ブレ補正、ズーム、高画質、遠隔臨場モードといった機能が加わり、遠隔でスムーズな現場管理や発注者の立ち合いが実現する。ドローン:大林組が人口集中地区(DID)で自律飛行型ドローンによる資材運搬に成功
大林組はSkyDriveと共同で、神奈川県横浜市の人口集中地区にあたるきょうりょう建設現場で、自律飛行型のドローンを用いた資材運搬の試験運用を成功させた。