福島駅東口の再開発で基本設計公表、7パターンに変化する「雁行型」公共ホールや10階建て民間棟:プロジェクト(2/2 ページ)
福島駅東口地区の再開発事業で、建設コスト高騰を受け、2022年から見直しが進められていた基本設計が公表された。店舗やオフィスから成る10階建て施設の民間エリアと、最大1500人収容の計7パターンに可変する公共ホールや会議室の公共エリアで構成する。
公共エリアで、ZEB Readyの導入を目標に
吹抜け構造の「ホワイエ」は公共エリアと民間エリアをつなぎ、人の流れや賑わいを生み出す。柱に照明と素材感を生かした装飾を施し、訪問者を花で迎える演出も加わる。
「まちなかリビング」は1階から4階にかけて立体的に展開。1階は「客間」、2階は「居間」、3階は「こども部屋」をそれぞれイメージし、4階は屋上広場へと連なり、道のように連続する空間設計とし、駅前の象徴となる外観を形作るとともに、小規模なイベントも開催する広場となる。
建物はバリアフリー法に適合し、エレベーターやエスカレーターを1〜3階に設置。災害時には帰宅困難者の一時滞在施設として、24時間はライフラインを維持する。環境性能としては、公共エリアでZEB Ready基準の導入を目指す。
また、CCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)と再開発組合が基本方針合意書を締結し、民間エリアの3階に「SHARE LOUNGE」が入る。本に囲まれたコワーキングと交流の空間を最短60分から利用可能で、Wi-Fiや電源、ドリンク、フードを無料提供する。
今回の再開発計画は、建設コスト高騰を受けて2022年に見直しが進められ、市民意見を反映した「Fukushima Egg」のコンセプトに基づき再構成した。12の利用シーンを軸に公共エリア、民間エリアが連携し、駅前に新たな賑わいと文化、つながりを創出する施設として整備を進めている。
また、福島市とJR東日本は、東西を結ぶ新たな自由連絡通路の整備に向けた覚書を2025年7月に締結し、駅全体の一体整備も視野に入れている。
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