豊洲二〜三丁目大規模再開発のラストピース「豊洲セイルパーク」完成、IHIと三菱地所:プロジェクト
東京都江東区豊洲の「豊洲セイルパークビル」の商業エリアが2025年7月に開業し、三菱地所とIHIが進めていた豊洲二〜三丁目地区最後の大規模再開発となる「豊洲セイルパーク」が完成した。かつての東京石川島造船所の企業城下町から、「職、住、遊、学」が融合する街へと変貌を遂げた。
三菱地所とIHIは、東京都江東区豊洲の「豊洲セイルパークビル」の商業エリアが2025年7月24日に開業したことに伴い、豊洲二〜三丁目地区最後の大規模再開発「豊洲セイルパーク(TOYOSU SAIL PARK)」街区が完成したと発表した。
新たなワークスタイルを実現するオフィス空間
豊洲セイルパークビルの規模は、地下1階/地上15階建て、延べ床面積は約8万9000平方メートル。鹿島建設の設計・施工で2022年7月に着工し、2025年6月に完成した。
商業エリアには飲食、物販、サービス、クリニックなど21店舗が出店し、約700平方メートルの大屋根広場を用いたイベントも計画している。ペット同伴可能な施設運営の他、2025年9月1日から稼働するオンライン決済で家庭料理を受け取れるテイクアウトステーションの設置など、利便性を高める設備も導入する。
また、インキュベーション施設「LIFESTYLE LAB “TOYONOMA”」が2025年9月1日に開店。約1500平方メートルの空間を活用し、短期利用のオフィスやテストキッチン、製品展示といったさまざまな実証実験を支援する。
シェア企業寮「TRIAL HOUSE “TAMESU”」は2025年8月1日にオープン。全39戸で、1R(25.1平方メートル)と1LDK(50.3平方メートル)の2タイプを用意。レインボーブリッジを望むルーフトップや広いダイニングラウンジなど、入居企業の交流を重視した共用部を整備する。入居者はTOYONOMAのワークスペース(約500平方メートル)も利用できる。
オフィスは4〜15階に位置し、1フロア(基準階面積)は約4215平方メートル。高層フロアには外部テラスを備えた。ZEB Orientedを取得するなど、環境負荷低減と防災性も両立した他、BCP対応で非常用発電機も備え、停電時には72時間の電力供給が可能だ。
IHIと三菱地所による豊洲エリア開発は、2010年竣工の豊洲フロント、2014年竣工の豊洲フォレシアに続き、今回で3件目。街区全体のオフィス貸付有効面積は、累計6万3000坪に達するという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
プロジェクト:「門真市」駅前で再開発計画、510戸のマンションなど前田建設らで2028年度着工
大阪府門真市の「門真市」駅前で、再開発計画が始動する。対象地は門真プラザと駅前広場を含む2ヘクタールで、高さ162メートルの高層マンションと商業施設の2棟を2032年度の竣工を目指して2028年度に着工する。プロジェクト:首都高日本橋地下化と5つの再開発で東京に“水都”誕生、幅100m×長さ1.2kmの日本橋リバーウォーク
首都高の日本橋区間1.8キロ地下化と5つの周辺再開発で、日本橋川沿いに東京の“水都”が誕生する。5つの再開発によるエリア名称は「日本橋リバーウォーク」で、2040年度の高架撤去後には日本橋が空を取り戻し、幅100メートル×長さ1.2キロにわたり、失われた景観と水辺環境を再生して新たな都市空間が創出される。産業動向:三菱地所設計、都市開発初期の土地選定や企画構想も含む「CCMサービス」を開始
三菱地所設計は、都市開発や大規模再開発などの建設プロジェクトで、土地有効活用の最大化に向けた新たなサービスを提供する。設計・施工をまとめるコンストラクションマネジメント業務に加え、土地選定や土地利用構想といったプロジェクト初期の土木的検討フェーズから事業者を支援する。プロジェクト:「赤坂七丁目再開発」着工、46階建て大規模複合施設建設 日鉄興和/野村不動産
日鉄興和不動産と野村不動産は、東京都港区「赤坂七丁目2番地区第一種市街地再開発事業」の建設工事に着手した。地上46階/地下1階、高さ約157メートルの複合施設を建設する。延べ床面積は約8万7912平方メートル。2028年度の竣工を予定している。プロジェクト:金町駅前で商業施設の屋上に“自動車教習所” 40階建てマンション含む再開発街区「クロス金町」
三菱地所、三菱地所レジデンス、三井不動産レジデンシャルは、東京都葛飾区のJR金町駅前再開発で、街区名称を「クロス金町」、商業施設名称を「MARK IS 葛飾かなまち」に決定した。40階建て超高層マンションと商業施設の複合開発で、5階建て商業施設には旧イトーヨーカドー金町店屋上で運営していた「金町自動車教習所」もリニューアルオープンする。プロジェクト:延べ52万m2/地上31階の複合ビル整備 名鉄ら5社が名古屋駅前を再開発
名古屋鉄道など5社は、「名古屋駅地区再開発計画」を事業化すると発表した。約3万2700平方メートルの敷地に、商業施設、オフィス、ホテル、鉄道駅、バスターミナルなどを備えた延べ床面積約52万平方メートル、地上31階建ての複合ビルを建設する。2040年代前半には全体が完成する見通しだ。