トプコンが東南アジア初となる建設DXのトレセン開設、ICT施工の全プロセスを習得:ICT施工
トプコンはマレーシアセランゴール州に、東南アジア初のトレーニングセンターを開設した。約8500平方メートルの広大な敷地に、施工現場を再現したICT施工の実習エリアを備え、アジア市場で建設DX人材の育成拠点となることを目指す。
トプコンは2025年8月6日、建設DXのソリューション活用を東南アジア地域で推進するため、マレーシアセランゴール州シャーアラム市に、東南アジア初となるトレーニングセンター「Topcon Malaysia Training Center(TMTC)」を開設した。
TMTCは、日本、米国、イタリアに続く、トプコンとして4カ国目の設立となる。約8500平方メートルの広大な敷地に、施工現場を再現した実習エリアを備え、最大30人が同時に受講可能な座学スペースも併設している。最新の測量機器や建設機械を活用し、ICT施工の建設プロセス全体を体験/習得できる実践的な学習環境を提供する。
経済成長に伴いインフラ需要がますます高まるマレーシアをはじめとする東南アジア地域で、TMTCを通じて地域に根ざした建設DX人材を育成し、建設業界の技術力向上や都市インフラの整備拡大につなげる。
施設では、建設業/測量業に従事する技術者のみならず、公共部門の職員や学生など幅広い層を対象に、実践的な建設/測量のワークフローを教育する。トータルステーション、GNSS受信機、レーザースキャナー、マシンコントロールシステムなどの最新機器に加え、3次元設計データ作成などの関連ソフトウェアも使用し、理論と実技を融合した高度なトレーニングを行う。
トプコンは今後、TMTCを人材育成やインフラ開発の中核拠点とすべく、マレーシアや東南アジア地域の政府機関や民間企業、高等教育機関との連携を一層強化する。
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