舗装工事の全工程をICT化、アカサカテックの堅牢タブレット軸に“情報化施工”推進:第7回 国際 建設・測量展(3/3 ページ)
GPS/RTK-GNSS、LiDAR、クラウドといったデジタル技術を融合し、建設現場の生産性や安全性の向上を支援するアカサカテック。「CSPI-EXPO2025」では、在庫管理から切削、運搬、転圧まで舗装工事の全工程をカバーするICT施工のソリューション群を出品し、社会基盤を支える現場をサポートするというパーパスを体現した。
舗装/転圧の工程では、クラウド型転圧管理システム「SmartRoller(スマートローラー)」が力を発揮する。建機にGNSSとHTD320を設置し、施工前に管理サイト「SmartRoller Web」で施工範囲や重機定数を設定することで準備が整う。施工中は、HTD320の画面上に転圧回数が色分けされたメッシュ表示され、どの場所を何回転圧したかが一目で分かり、締固め工や舗装工で踏み残しを防げる。
取得したデータはクラウドに自動でアップロードされ、遠隔でリアルタイムの施工状況を把握できる。施工後にはSmartRoller Webから、走行軌跡図や締固め回数の分布図、3D出来形データの出力に対応している。
社会基盤の“さらに下のレイヤー”で現場を支える存在へ
アカサカテックは、「独自の発想と挑戦で、社会を支える現場を支える」というパーパスを掲げている。その言葉通り、これからも社会インフラや現場を支える企業向けに実用的なシステムやサービスの開発の歩みを続ける。
近年は、国土交通省による安全管理指針の強化も背景に、現場の安全対策を支援するソリューション開発にも注力。「熱中症で命を落とすケースも増えてきている。リスクを少しでも軽減できるように、私たちは社会基盤のさらにその下のレイヤーも支えられる技術や仕組みを生み出していきたい」と今後の抱負を担当者は力強く口にした。
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