図面の「どこが変わった?」を人の目を超える精度で検出、“見落としゼロ”のAI「revisio」:AI
mignは、図面の修正差分をAIで自動検出する「revisio」を開発した。図面画像をアップロード後、数秒で差分結果を色別で表示し、視覚確認の限界を超える精度で「どこが変わったか」を可視化する。
mignは、図面変更の差分を瞬時に検出して視覚化する新しいAI技術「revisio(レヴィジオ)」を2025年6月24日に公開した。
図面画像アップロード後、数秒で差分結果を表示
mignは建設・不動産・製造などの業界に特化したAI技術を開発してきた。その中で、現場ヒアリングで見えてきたのが、「図面の修正箇所を人の目で確認し続ける作業」の膨大な負荷だ。revisioは、“人間の視覚確認の限界”をAIで代替することを目的に開発した。変更点の見落としを防ぎ、関係者間の確認、承認や合意形成をより早くより正確に進めるためのAI技術となる。
revisioは、2枚の図面画像(修正前/修正後)をAIが解析し、差分となる要素(線、形状、配置)を自動で検出して、ハイライト表示する。特徴的なのは、その精度と処理速度、可視化視ルールの明快さにある。
差分検出は、削除された要素を青色、追加された要素を赤色で明示し、誰でもすぐに変更点を理解できる。AIの精度は、線や図形の位置/形状の違いを数ピクセル単位で認識し、手作業では見落としやすい微細な違いも捉える。
処理速度は、図面画像をアップロード後、数秒で差分結果を返す。CADやBIMのソフトウェアにも縛られず、画像ベースで動作するため、あらゆる環境でも柔軟に対応する。
想定している活用シーンとしては、修正指示通りの反映がされているか、意図しない変更が含まれていないかの検査、管理者や上位設計者によるレビューや承認業務の効率化、赤青の差分視覚化で専門知識のない発注者への変更点説明などがある。
また、施工会社や構造設計、設備設計との連携で、変更内容の誤解、齟齬(そご)、手戻りの防止も見込める。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
AI:建設現場の“分からない”を解消 社内ナレッジや法令などをAIがその場で検索する「kenma」
mignは、建設業務のナレッジ活用を支援するAI検索ツール「kenma」の提供を開始した。社内のマニュアルや事例集をはじめ、法令、業界標準の公的ドキュメントなどを対象に、AIが検索し、作業時の分からないをその場で解消できる。AI:映像から建設現場や設備のリスクをAIが自動検出 mignの点検DX「obtec」
mignは、建設現場の監視や点検で、映像や画像から人や物の数量を算出し、設備の傷や破損、人の危険行動を検知するAI解析サービスを開発した。これまで人の目に依存していた情報がAIでデータ化されるため、安全管理や点検業務の効率化とともに、業務の標準化が実現する。AI:ザハ・ハディドの特徴を捉えた住宅デザインをAIが生成 mignの画像生成サービス
mignは、生成AIで学習したデザインの特徴を踏まえた画像を生成する「stylus」の提供を開始した。数十枚以上の画像をアップロードすると、画像の特徴を解析し、そのデザインを踏まえたイメージが生成できる。AI:mignの自動デザイン生成ソフトにChatGPTやStable Diffusionの連携機能
mignは、同社の自動デザイン生成ソフトウェア「studiffuse」にChatGPTとStable Diffusionを連携した機能を追加した。ChatGPTでテキストや画像を解析し、Stable Diffusionで画像を自動生成する。AI:構造物の劣化を判定するmignのAIサービス「inspit」 数十枚の画像学習データだけで95%以上の精度
mignは、数十枚の学習データだけで、高精度な構造物のひび割れなどの劣化を判定するAIサービスの提供を開始した。ChatGPT:「ChatGPT」がBIMソフトのトラブル解決策を即答、mignの建設特化AIモデル「chact」に追加機能
ChatGPTをベースに建設分野に特化して開発したAIモデル「chact」に、新機能が追加された。最新の言語モデルとなるGPT-4を活用して、BIMソフトのエラーが生じた際に内容をコピー&ペーストするだけで解決策を回答する。