2024年度建築着工統計、新設住宅は81.6万戸で3年ぶり増加:調査レポート
国土交通省が発表した2024年度の「建築着工統計調査報告」によると、新設住宅の着工戸数は81万6018戸、床面積は6283万平方メートルで、いずれも3年ぶりにプラスに転じた。一方、全建築物の着工床面積は1億445万平方メートルで3年連続の減少となった。
国土交通省は2025年4月30日、2024年度の「建築着工統計調査報告」を公表した。新設住宅の着工戸数は81万6018戸(前年度比2.0%増)、床面積は6283万平方メートル(同1.0%増)で、いずれも3年ぶりにプラスに転じた。一方、全建築物の着工床面積は1億445万平方メートル(同3.6%減)と3年連続の減少となった。
利用関係別では貸家が押し上げ
新設住宅の利用関係別戸数は、貸家が35万6893戸(前年度比4.8%増)、持家が22万3079戸(同1.6%増)と伸長した一方、分譲住宅は22万9440戸(同2.4%減)と2年連続で減少した。分譲の内訳は、マンションが10万5227戸(同5.0%増)と増加したものの、一戸建ては12万2319戸(同8.5%減)と2年連続で減った。
地域別では、近畿圏が前年度比8.6%増と最も高い伸び率を示した。次いで首都圏が1.6%増、中部圏は2.7%減、その他地域は0.9%増だった。
建築工法別では、プレハブ住宅が9万3833戸(同6.7%減)で3年連続減少、ツーバイフォー住宅が9万8923戸(同7.9%増)と3年ぶりに増加した。
非居住建築物は3年連続減
全建築物の着工床面積のうち、公共の建築主は463万平方メートル(前年度比1.4%増)で2年連続増加、民間建築主は9982万平方メートル(同3.8%減)で3年連続のマイナスとなった。
民間の非居住建築物は、床面積3474万平方メートル(前年度比10.5%減)で3年連続減少。内訳は、店舗が378万平方メートル(同4.9%増)と増加に転じた一方、事務所が464万平方メートル(同18.8%減)、工場が662万平方メートル(7.9%減)、倉庫が1026万平方メートル(12.6%減)といずれも減少した。
用途別では不動産業用が188万平方メートル(前年度比49.5%増)と大幅に増えた。一方、情報通信業用36万平方メートル(同16.9%減)、医療/福祉用297万平方メートル(同16.5%減)などで減少が目立った。
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