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2024年も建設業の人材需給はひっ迫、有効求人倍率は躯体工事で9.3倍【独自分析】建設業の人材動向レポート(58)(1/2 ページ)

本連載では、総合人材サービス会社で建設業向けの人材サービスを展開するヒューマンリソシアが、独自に調査した建設業における人材動向を定期レポートとしてお届けする。建設業従事者の人材動向に関する実態を解明し、建設業各社の採用・定着に向けた戦略を考えるうえで少しでもお役に立てれば幸いである。今回は、建設業の人材需給動向について、最新データをもとに2024年の状況を分析した。

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 「2024年問題」への対応などで人材確保への危機感が高まる建設業の人材需給動向について、厚生労働省の「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」と「労働経済動向調査」の最新データをもとに分析した。

■本レポートの要旨

・2024年も建設業の人材需給はひっ迫、有効求人倍率は際立って高い

・有効求人倍率が最も高いのは建設躯体工事従事者の9.3倍、次いで土木作業従事者が6.73倍、建築・土木・測量技術者が6.68倍

・建設技術者、技能工の人手不足感も上昇傾向と、危機感が高まる

■建設関連職種の有効求人倍率は際立って高く、人材需給はひっ迫

 厚生労働省の「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」で建設業に関連する主な職種別で2024年の有効求人倍率(2024年平均)をみると、「建設躯体工事従事者」が9.38倍(前年比マイナス0.99ポイント)で最も高い。

 次いで「土木作業従事者」が6.73倍(同マイナス0.05ポイント)、「建築/土木/測量技術者」が6.68倍(同プラス0.09ポイント)、「建設従事者(建設躯体工事従事者を除く)」が5.26倍(同マイナス0.07ポイント)、「電気工事従事者」が3.61倍(同プラス0.04ポイント)となった。前年よりやや緩和しているものの、いずれも職業も、職業計1.22倍と比較して際立って高く、建設人材の需給が依然ひっ迫していることは明らかだ(図表1)。

図表1 主な建設関連職種の有効求人倍率
図表1 主な建設関連職種の有効求人倍率 出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」よりヒューマンリソシアが作成

■建築/土木/測量、電気工事、土木の人材需給はさらにひっ迫か?

 月別に2024年の有効求人倍率の推移をみると、「建築/土木/測量技術者」は全ての月で前年同月を上回った(図表2)。「電気工事従事者」は7月以降(図表3)、「土木作業従事者」は10月以降、前年同月を上回り、ひっ迫度合いが高まっている(図表4)。そのため、上記3職種については今後さらに人材需給がひっ迫に向かうことが危惧される。

図表2 建築/土木/測量技術者の月別有効求人倍率
図表2 建築/土木/測量技術者の月別有効求人倍率 出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」よりヒューマンリソシアが作成
図表3 電気工事従事者の月別有効求人倍率
図表3 電気工事従事者の月別有効求人倍率 出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」よりヒューマンリソシアが作成
図表4 土木作業従事者の月別有効求人倍率
図表4 土木作業従事者の月別有効求人倍率 出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」よりヒューマンリソシアが作成

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