AI活用、規格住宅の間取り提案を効率化 住友林業が年内にも実用化へ:AI
住友林業は、規格型住宅商品「Premal」の顧客向け提案支援システム「AI間取り検索」の概念実証モデルを完成させた。営業担当が顧客の家族構成や住宅の好み、現在の住まいの悩みなどをヒアリングしてシステムに入力すると、AIが選んだ候補をもとに、最適な間取りとライフスタイルがイメージできる提案が行える。
住友林業は2025年4月24日、規格型住宅商品「Premal(プレマール)」の顧客向け提案支援システム「AI間取り検索」のPoC(概念実証)モデルを完成させたと発表した。今後は技術検証を経て、年内の実用化を目指す。
間取りの検討には事前調査や資料参照などに多くの時間を要する。住友林業は今回、検討時間の短縮と提案の精度向上を図るため、営業担当者や設計担当者などの知見をAIに共有し、顧客提案をサポートするシステムを開発した。
新システムは、LLM(大規模言語モデル)を利用した「顧客要望深掘AI」「間取り検索AI」「データベースAI」の3つのAIから成る。顧客要望深掘AIは、営業/設計/インテリア/外構/営業責任者/設計責任者の人格を持ったAI担当者が、顧客の要望を議論し、潜在的な要望を示唆する。その後間取り検索AIが示唆をもとに、顧客の要望を整理してデータベースから最適なモデル間取りを選び出す。
システム管理者が利用するデータベースAIは、間取り検索AIが選出した間取り画像をLLMに入力し、特徴をデータベースに登録、蓄積する役割を担う。
システムを利用することで、営業担当が顧客の家族構成や住宅の好み、現在の住まいの悩みなどをヒアリングしてシステムに入力すると、AIが選んだ候補をもとに、最適な間取りとライフスタイルがイメージできる提案が行えるようになる。
新システムは2025年末までに、全国支店でPremal提案時に活用する予定だ。将来は分譲住宅や注文住宅での活用も検討していく。
住友林業グループは引き続き、AIを活用したDXを推進し、住宅営業/設計プロセスの効率化や高品質な住まいの提供を目指す。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
リフォーム:写真から窓リフォームを概算見積もり、AI機能を営業支援アプリに追加 LIXIL
LIXILは、Googleの生成AI「Gemini 2.0」のAI技術とと自社の見積もりデータを組み合わせ、窓の写真をアップロードするだけで商品提案と概算見積もりができる新機能を、リフォーム営業支援アプリ「L-ポケット」に追加した。FM:MODEとugoが業務提携、現場巡回/点検の自動化など推進
MODEとugoは業務提携を締結した。MODEの統合IoTプラットフォーム「BizStack」と業務DXロボット「ugo」を連携させ、現場業務の自動化や省人化、データ活用の高度化を推進する。産業動向:パナソニック ホームズが中古戸建て市場に本格参入、“空気から選ばれる家”の新ブランド
パナソニック ホームズは、中古の戸建て住宅市場へ本格的に参入する。旧来のリフォームブランド「ReVALUED」を買取再販事業として刷新し、「中古住宅=価格の安さ」のイメージから脱して、安心と快適性に価値を見い出す新たな再販モデルを展開する。カーボンニュートラル:建物の生涯CO2評価システム「Z-CARBO」開発、竹中工務店
竹中工務店は、建物のライフサイクル全体におけるCO2排出量を定量的に評価するプラットフォーム「Z-CARBO」を開発した。AI:大東建託が「生成型AI課長」導入 AIが土地オーナ向け訪問営業のロールプレイング
大東建託は、AIを用いた同社独自のシステム「生成型AI課長」を開発した。営業活動に必要な知識やスキルを効率的に習得するためのロールプレイング教育ツールで、シナリオを用意せずに、土地オーナーの年齢、関心、性格などに基づきAIが営業担当者の営業提案に応対する。積算:住宅建材の見積り作成が3分の1の時短に パナソニックのWeb間取り図積算システムに新機能
パナソニック ハウジングソリューションズの「Webハウズ間取り図積算システム」に、「標準仕様呼出し機能」が追加された。住宅会社ごとの標準仕様の建材をパッケージ化して登録し、一括選定可能になる。既存のAI積算も併用すれば、見積り作成プロセス全体で3分の1の時間に短縮できる。