ボルボの油圧ショベルが10年ぶりにフルモデルチェンジ 20tクラスで燃費15%向上:ICT建機
ボルボ・グループ・ジャパンは、新型油圧ショベル8機種を2025年5月から順次国内で販売する。10年ぶりのフルモデルチェンジとなり、オペレーター支援システムのコーパイロット 2.0を搭載し、メインポンプも大型化してエンジン回転数を下げることで燃費も向上した。
ボルボ建設機械グループの一つボルボ建機の日本法人ボルボ・グループ・ジャパンは2025年5月から、新型油圧ショベル8機種「ECR145」「EC210」「EC230」「EC300」「EC360」「EC400」「EC500」「EC950」を順次発売する。10年ぶりのフルモデルチェンジとなり、正規ディーラーの山崎マシーナリーと第一東洋を介して販売する。
障害物検知機能付きの「ボルボ・スマートビュー」搭載
新型ショベルは、新たな電子制御油圧システムやキネマティック・センサーパッケージ、オペレーター支援システム「ボルボCo-Pilot 2.0」を搭載。
特に20トンクラスのEC230は、従来機に比べて燃費が最大15%向上した。エンジン回転数を自動的に10段階でコンピュータ制御できる他、冷却ファンを電動化して燃料消費を抑える。
障害物検知機能「ボルボ・スマートビュー」も装備し、前後や右側のレーダーが死角をカバーして作業者の安全性を確保する。スウェーデン本社の安全ビジョンを踏まえた設計で、事故ゼロを目指す取り組みだ。
インテリジェント・マシンの機能としては、車内モニター内ソフトウェアに計算機やメモ、天気などのアプリがあらかじめインストールされている「ボルボCo-Pilot」は、Ver.2にアップグレード。
コックピット内はHMI(ヒューマンマシンインタフェース)を刷新し、3種のシートオプションを用意。CDC(コンフォートドライビングコントロール)もオプションで用意するなど、建機オペレーターの快適性を考慮した。
保守面では、スイングアウト式エアコンコンデンサーやクイックドレンポート、集中流体サンプルポートを採用。一部のフィルターとオイルで、交換目安となるサービスインターバルを延長した。
8機種のうち小型旋回モデルのECR145は、快適なキャブ設計やパワフルなリフティング能力が特長で、燃費も良くなっている。多用途対応型のEC210も燃費向上し、メンテナンス間隔を延長した。
EC300は、日本仕様へ換装後に展開予定。EC360とEC400は、採石場や整地作業向けに高い耐久性と効率性を有する。大規模現場用のEC500は、燃料効率が最大15%改善。最大の90トンモデルとなるEC950は、大容量バケットで高い搬送能力を有する。
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