国土交通省、直轄工事に「GX建機」を初導入 施工現場での適用性を検証:脱炭素
国土交通省はカーボンニュートラルに貢献する「GX(グリーントランスフォーメーション)建設機械認定制度」に認定された電動式建機を、東京都内の直轄工事で初導入した。直轄工事への認定建機の導入は、2023年12月の初回認定後初めて。
国土交通省は、東京都文京区の電線共同溝工事施工現場に「GX認定建機」を導入し、2024年1月30日、報道陣に公開した。直轄工事への認定建機の導入は、2023年12月の初回認定後初めて。今後、実際の施工現場で適用できるかを検証していく。
「GX(グリーントランスフォーメーション)建設機械認定制度」は、建設施工現場での電動建機の普及を目的に、2023年10月にスタートした。認定の対象はバッテリー式もしくは有線式の電動ショベル、電動ホイールローダーで、12月25日には4社15型式の電動ショベルに対して初回認定が行われた。
今回、関東地方整備局発注「R5国道17号白山電線共同溝その7工事」の施工現場に、総合レンタル会社の西尾レントオールを通じて、GX建機の初回認定を受けた竹内製作所のバッテリー式電動ショベル「TB20e」を導入した。TB20eは1.8トンクラスのディーゼルエンジン搭載機と同等のパワーを持ち、1回の充電で8時間稼働する。エンジン搭載機と比較して、作業時のCO2排出量を61%削減できるという。電線共同溝整備における試掘の工程で使用された。
国土交通省の担当者は「電動建機はカーボンニュートラルへの貢献に加え、音が静粛で、排気ガスを出さないといった副次的なメリットもある」と述べ、現場での稼働を通し、電動建機の適用性を確認していくと話した。
なお、西尾レントオールは「TB20e」を2021年12月に導入するなど、レンタル会社としては早くから電動建機の取り扱ってきた。2023年12月にはGX建機に認定されているボルボ製電動油圧ショベル「ECR25 Electric」を大阪府内のマンション建設現場で、国内で初めてレンタル稼働した。
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