配筋作業の工数を9割削減、ArentのRevitプラグイン「Lightning BIM 自動配筋」:第9回 JAPAN BUILD TOKYO(1/2 ページ)
Arentが提供する「Lightning BIM」シリーズは、難易度の高いBIMソフトウェアを誰でも簡単に操作できるようにすることを目的に開発したRevitアドインだ。ラインアップの1つ、「Lightning BIM 自動配筋」は、Revit上で配筋を自動生成し、自動接続、干渉回避、納まり検討が可能になり、配筋の工数を最大9割削減する。
「暗黙知を民主化する」をミッションに掲げるArent(アレント)は、「第9回 JAPAN BUILD TOKYO−建築の先端技術展−」(会期:2024年12月11〜13日、東京ビッグサイト)で、構造設計の中でもBIM化が進んでいない配筋の検討プロセスを自動化する「Lightning BIM 自動配筋」と煩雑なファミリやパラメーターの管理を手軽に行える「Lightning BIM ファミリ管理」を紹介した。
Lightning BIMシリーズは、BIMソフトウェアの操作は難易度が高く活用できる人材が限られてしまう課題を解消するべく、誰もが簡単に操作できることを目標に開発したRevitアドインだ。

ブースではRevitプラグインとなる「Lightning BIM」シリーズとして、「Lightning BIM 自動配筋」と「Lightning BIM ファミリ管理」を中心に紹介 写真は全てBUILT編集部撮影
干渉回避や定着、あきチェックで工程を最適化
Lightning BIM 自動配筋は、2022年にリリースした配筋検討を自動化するRevitプラグイン。Revitの駆体(インスタンス)モデルに対し、構造計算の結果を反映した配筋モデルを自動生成する。他のソフトウェアを介さずとも配筋定着時の加工設定や配置時の干渉を自動で回避し、定着やあきのチェック機能も搭載している。
納まり検討は従来、配筋に関するワークフローの中でベテラン職人のノウハウに支えられた領域だった。全体的な納まりを成立させるために、検討箇所は広範囲にわたり、一箇所のために複数の納まりを変更するなど煩雑な試行錯誤も多く、ワークフロー全体の中でボトルネックとなっていた。
Lightning BIM 自動配筋はArentの3Dモデル制御技術を応用し、構造計算、構造図作成、納まり検討といった多くの作業フェーズを効率化する。
これまでRevitでの配筋検討は、そもそも鉄筋の情報がなく、Revit標準機能で構造図を見ながら躯体に鉄筋を入力していた。
Lightning BIM 自動配筋では、Revitユーザー会のRUG(Revit User Group)が公開しているファミリデータを自動で読み込んでおり、基本鉄筋位置やルール、断面の設定をするだけでRevitの躯体モデルに主筋と杭頭補強筋が挿入され、その鉄筋情報をもとに鉄筋モデルを自動生成する。部材ごとにペア設定や端部設定をすれば、自動で配筋同士の接続や曲げの定着、端部のフック定着を行う。
干渉回避は単なる自動配筋ではなく、設定したルールに準じ、ボタン1つで全体の干渉をチェックする。干渉が起きていれば色分けで一目で分かり、スマートコントローラーという名称のパネルから手作業で調整することになる。
LightningBIM 自動配筋の利用料は、サブスクリプション契約で年間84万円(税別)。
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