アイスクリーム画像から建築デザイン案を生成 AIへの指示“プロンプト”すらも画像をもとに作成:第9回 JAPAN BUILD TOKYO(2/2 ページ)
“空間デザインの民主化”を掲げるSAMURAI ARCHITECTSが提供する画像生成AIサービス「Rendery」は、画像やスケッチ、言葉などをもとに建築パースを自動生成する。企業ごとの建築様式を反映したAIモデルの学習も可能で、大手不動産デベロッパーやハウスメーカー、ゼネコンなどで幅広く活用されている。
過去の施工事例をAIが学習、カスタマイズしたAIモデルでの出力にも対応
Renderyは、AIにミッドセンチュリーなどの建築様式を複数画像で学習させて独自のAIモデルを育てられる。ブランドイメージや企業ごとのデザイン方針でも、事前に学習させた上でそのデザインに沿った内外観のスタイルが作れる。
SAMURAI ARCHITECTS CSO(最高戦略責任者) 高山慶太朗氏(※高=はしごだか)は、「(Renderyでは)過去の施工事例を学ばせたAIモデルを作れる。設計者の意向に沿ってチューニングできる生成AIサービスとして、建築設計や不動産、リノベーションの分野で広く利用されている」と語る。既に戸田建設や東京建物、東急不動産などでユースケースがあるという。
SAMURAI ARCHITECTSでは、デザインや建築に詳しくない人でも建築分野に参加できることを目指し、“空間デザインの民主化”に取り組んでいる。そのため、Renderyの操作性も分かりやすさに重点を置いている。
RenderyはWebブラウザ上で稼働するので、別途アプリをインストールする必要はない。利用料金は月の生成枚数30枚に限定した無料のフリープラン、生成枚数が無制限のBASICが月額5000円、独自のモデルを追加学習で使えるPROが8000円、法人向けENTERPRISEは要問合せ(全て税別)。
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