日立建機が中型ホイールローダ「ZW140-7/ZW160-7」の受注開始 積み込み時の走行速度を自動制御:スマートコンストラクション
日立建機は、中型ホイールローダのラインアップに「ZW140-7」と「ZW160-7」の2機種を追加した。両機とも、積み込み時の走行速度を自動制御する「アプローチスピードコントロール」を搭載し、低燃費と操作性の向上を実現した。
日立建機はホイールローダZW-7シリーズのラインアップを拡充し、日本国内向けに2025年1月10日から中型ホイールローダ「ZW140-7」と「ZW160-7」の2機種の受注を開始した。ZW140-7の標準バケット容量は2.0立法メートルで運転質量は1万860キロ。ZW160-7の標準バケット容量は2.3立法メートルで運転質量は1万2570キロ。販売目標台数は2機種合計で年間250台。いずれの機種も、一般土木、除雪、産業廃棄物処理、畜産、林業、採石など幅広い業種で需要が見込まれる。
積み込み作業時の走行速度を自動制御する「アプローチスピードコントロール」
ZW140-7とZW160-7には、積み込み作業時の走行速度を自動で制御する「アプローチスピードコントロール」を搭載し、低燃費と操作性の向上を実現した。
従来はホイールローダがダンプトラックの荷台などに積み込む際、アクセルペダルを踏みながらブレーキを操作して走行速度を調整する必要があった。アプローチスピードコントロールによって積み込み時の走行速度を自動制御することで、ZW140-7は19%、ZW160-7は5%、作業量あたりの燃料消費量を低減する。アクセルとブレーキの複合操作の回数が低減し、オペレーターは積み込み作業に集中できる。
周囲環境装置「AERIAL ANGLE(エアリアル アングル)」を装備し、車体周囲を270度俯瞰した映像を運転室(キャブ)内のモニターに表示する。タイヤ側面などオペレーターからの死角を減らし、安全性の向上に寄与する。オプションで車体前方にカメラを追加すれば、車体全周囲(360度)の俯瞰映像を表示することも可能になる。
荷重判定装置「ペイロードチェッカー」で、リフトアームを上昇させたタイミングでバケットの積載重量を計測。オペレーターは積み込みしながらキャブ内のモニターで積載量を把握できるため、過積載や過小積載を未然に防げる。
また、OTA(Over The Air/無線経由)を活用した「ConSite Air(コンサイト エアー)」は、遠隔で車体のエラーコードや各種センサーの情報を取得する。機械の状態診断を行い、判定結果に基づいて最適なオペレーターの支援や効率的な機械の復旧につなげる。遠隔でコントローラーと通信端末のソフトウェアの更新も可能で、サービス員が1台ずつ対応していた更新作業の効率が向上する。
標準小売価格はZW140-7が2484万円、ZW160-7が2796万円(全て税別)。
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