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AI活用の「構造体の制振システム」が特許を取得、Laboro.AIと大林組:AI
Laboro.AI(ラボロエーアイ)と大林組は共同で、AIを活用して建造物の揺れを制御する「構造体の制振システム」の特許を取得した。
Laboro.AI(ラボロエーアイ)は2024年12月26日、大林組と共同で、AIを活用して建造物の揺れを制御する「構造体の制振システム」の特許を取得したと発表した。
構造体の制振システムは、制振技術の1つ「アクティブ制振(AMD)」にAIを活用したもので、建物の揺れを観測し、マスダンパー(内部に設置した重り)を最適に制御する。強化学習により、AIが最適な制御方法を自ら決定し、より短時間で揺れを抑制できる。複雑な揺れに対し最適な制御則を見いだすだけでなく、変化する環境にも柔軟に適応し、従来の制御システムよりも高い効果で揺れの制御が可能だ。
Laboro.AIは、オーダーメイドのAI開発やAI導入コンサルティングを展開。大林組との構造体の制振システム開発プロジェクトは2019年に開始し、Laboro.AIはAI開発支援を手掛けた。強化学習は通常、シミュレーション環境が必要なため、現場を伴う産業では活用が難しい手法とされていたが、ニューラルネットワークを活用して成果につなげた。現在まで継続的に支援を行っている。
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