コクヨが「自社ビル一棟まるごとリノベ」を提供、空間構築の提案から運営まで支援:リノベ
コクヨは、企業などが保有する築後数十年が経過した中小規模の自社ビルを対象に、「自社ビル一棟まるごとリノベーションサービス」の提供を開始する。新築建て替え時と比較して、建築費のみの予算は約半分程度の坪80万円から、また設計/工事期間は約1年程度の短縮が可能で、CO2排出量の大幅な削減にもつながる。
コクヨは2024年10月24日、企業などが保有する築後数十年が経過した中小規模の自社ビルを対象に、「自社ビル一棟まるごとリノベーションサービス」の提供を開始すると発表した。経営資源としてのビルの価値の向上を、働き方から考えた空間構築の提案や運営を含めて支援する。
コクヨの試算では、新築建て替え時と比較して、建築費のみの予算は約半分程度の坪80万円から、また設計/工事期間は約1年程度の短縮が可能で、CO2排出量の大幅な削減にもつながる。主に首都圏エリアを対象に、2024年10月下旬から提供を開始する予定。
国内では中小規模のビルの老朽化が進んでおり、経営資源として価値の減少が課題となっている。一方で、建て替えや移転に関するコストは上昇しており、老朽化したビルのままでは人材確保やワークプレースとしての在り方も問題が生じる可能性がある。
コクヨは2021年2月に東京品川オフィスなどの自社ビルをリニューアルし、組織の課題解決を図るとともに、リクルート希望者を増加させてきた。これまでの取り組みで得た独自の知見やノウハウをもとに、ワークプレースにおける新しい価値と既存事業の領域拡張を目指し、新サービスの提供を開始する。
新サービスでは、既存ビルの建築条件など応じて柔軟な手法で自由な使い方を提案する。例えば、未活用の屋上エリアを緑化テラスへ変え、内階段や吹き抜けを構築してつながりや交流を生む仕掛けを用意したり、外壁に開口を設けて光や風、景色を取り込むことで開放的な空間へ変え、用途や目的に応じて動線やエントランス計画を再設計したりと、組織の働き方に応じた使い方を提供する。
また、位置情報や座席予約システムなどの最新ICTを導入した快適な働き方の実践、社内外の交流を活性化するオープンイノベーション拠点としての機能整備、社内外へのブランディング支援など、企業の醸成したい雰囲気に合わせた使い方も提案する。
施設運営のサポートとして、飲食店や物販店との連携、地域活性視点でのイベント企画や情報発信を担うコミュニケーター、受付業務や施設予約管理などのBPOサービスなどの各種運営メニューも提供可能だ。
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