下請法違反でナイスに勧告、総額2320万を不当に減額:産業動向
公正取引委員会は大手建材卸のナイスに対し、下請け事業者への代金を不当に減額していたとして、下請法に基づく再発防止を勧告した。ナイスは2022年11月〜2024年5月の期間、34社に対し、総額2320万1649円を代金から差し引いていた。
公正取引委員会は2024年10月23日、下請け事業者への代金を不当に減額していたとして、大手建材卸のナイスに対し、下請法に基づく再発防止などを勧告した。ナイスは2022年11月〜2024年5月の期間、34社に対し、総額2320万1649円を代金から差し引いていた。
下請法では、下請け事業者に責任がないのに、発注時に決めた金額から一定額を減じて支払うことなどを全面的に禁止している。名目や方法、金額の多少を問わず、下請け事業者との合意があっても違反となる。
ナイスは下請法の適用対象となる事業者に対し、木材や住宅設備機器の加工、プライベートブランド商品の製造などを委託している。この取引において、「仕入割引」(1826万2801円、29社)の名称で代金を減額した他、「リベート」(493万8848円、5社)の名称で代金を減額したり割戻金を支払わせたりしていた。
公正取引員会の勧告では、今回の行為が下請法の規定に違反することや今後は下請け代金の減額を行わないことを取締役会の決議により確認すること、下請法の順守体制を整備することなどを求めた。
ナイスは既に、違反行為に該当すると判断された金額を下請け事業者に支払い、支払いに関する約定についても適正な内容へと変更した。ナイスでは「下請法に関する社内研修などによる役職員への教育の徹底や点検体制の強化などを通じ、再発防止への体制整備を図るとともにコンプライアンスの徹底に努める」とコメントを発表している。
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