富士フイルムの「ひびみっけ」が1億200万画素カメラ「GFX100」とレンタル可能に:メンテナンス・レジリエンスTOKYO2024(2/2 ページ)
富士フイルムの「ひびみっけ」は、橋梁やダムなどコンクリート構造物の表面のひびを写真画像からAIが検出するソリューションだ。2018年にスタートし、年々ユーザー数は確実に増え、現在は約1500の企業が導入している。新たにひびみっけに特化した1億200万画像の「FUJIFILM GFX100」の格安レンタルサービスを開始した。
レンタルサービスの開始でコストも削減
現場での撮影を効率化できるGFX100だが、ユーザーにとって懸念材料がある。それは価格だ。高い撮影能力を持つGFX100だが、レンズを含めた実売価格は100万円を超える。従来の2400万画素カメラの20万円程度に比べれば、導入コストが負担となってしまう。
こうした不安に対する富士フイルムの答えが、2024年5月に開始された機材のレンタルサービスだ。GFX100のボディーとズームレンズ2本にバッテリー、記録メディアから三脚までがセットとなり、5日間で4万2790円(税込み)で使える。
レンタル日数は、最短の5日間の他に、10日間、15日間と5日きざみで1カ月(31日間)まで。通常の点検業務であれば最短の5日間で十分だろう。しかし、海外や複数の現場で検査する場合にレンタル期間が選べるのは安心だ。
GFX100はカメラボディーだけでも70〜80万円する高級モデルで、プロ写真家の要求にも応える品質と機能性を備えている。そのため、設定可能な項目は多い。しかし、レンタルサービスでは、ひびみっけで使用するのに最適な設定がされた上で貸し出される。そのため、ユーザーが設定を変更や調整をする必要がない。
ひびみっけで使う際の基本的な設定やカメラの使い方は、メーカーのサポートも受けられる。カメラや撮影法に詳しくなくても、現場での撮影が確実に行える。
基本的にひびめっけはカメラのメーカーを問わすに使える。しかし、撮影機材とソフトウェアが同一メーカーからリリースされていることに対する安心感は大きい。特に、画像を使った点検業務の導入や強化に挑戦しようとする建設コンサルタントや点検会社にとっては大きな魅力となるだろう。
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