日系デベ初、三菱地所が台湾に物流施設を開発 220億円で延べ6.4万m2の規模:海外プロジェクト
三菱地所は、日系デベロッパー初となる台湾の物流施設開発に参画する。事業名称は「(仮称)桃園市楊梅(タオユエンヤンメイ)プロジェクト」で、延べ床面積約6万4000平方メートルに及ぶマルチテナント型の大規模物流施設を2025年までに建設する。
三菱地所は2024年7月25日、香港に拠点を置きアジアで不動産開発投資を行うARCH Capital Management(以下、ARCH Capital)と、台湾の桃園市で、物流施設開発事業「(仮称)桃園市楊梅(タオユエンヤンメイ)プロジェクト」に参画すると発表した。
計画は、三菱地所初、日系デベロッパーとしても初の台湾での物流施設開発事業となる。総事業費は約220億円(約48億NTD、NTD=4.6円換算)で、三菱地所はJV会社の持分30%を取得して事業に加わる。施設は、冷凍冷蔵フロアを有する延べ床面積約6.4万平方メートルのマルチテナント型大規模物流施設となり、完成は2025年の予定。
台湾の主要物流拠点「桃園市」で、旺盛な物流施設需要に対応
台湾では近年、EC市場の伸長などで物流需要が拡大する一方、冷凍冷蔵ニーズに対応する高スペックな物流施設が不足する状態が続いていた。三菱地所は日本で2012年から物流施設の開発に乗り出し、冷凍冷蔵の物流施設の他、自動運転トラックの受入れ可能な施設を計画するなど事業展開している。台湾ではこれまでに、不動産開発事業、建築設計、施設管理運営を手掛けており、今回、同地の旺盛な物流施設需要に応えるべく、台湾で7プロジェクト目となる物流施設開発に至った。
施設規模は地上8階建てシングルランプ型で、敷地面積は2万2093平方メートル、延べ床面積は6万4301平方メートル。2024年1月に着工しており、2025年の完成を見込む。
施設構成は、独立した車路を有するシングルランプウエイ型を採用し、マルチテナントの館内交通ニーズに対応している。屋上には太陽光パネルを設置し、施設の使用する電力の約60%を自給。賃貸区画全4フロアのうち1フロアは、小割可能な冷凍冷蔵フロアとして実装し、台湾のコールドチェーン需要をすくい取っていく。
計画地は桃園市楊梅區梅獅路二段616巷路口で、桃園市は人口の約4割が居住する台湾北部に位置し、桃園国際空港、台湾港、基隆港に近い台湾の物流最大集積地で、近年は物流施設の供給が続いているエリア。台湾西部を縦断する高速道路1号線の楊梅インターまで車で約8分、桃園市中心部まで車で約20分と、桃園市の中でも好立地となる。
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