住友林業ら日系3社が136億円を投じ、シアトル近郊で集合住宅を開発:海外プロジェクト
住友林業、関電不動産開発、サンケイビルの日系企業3社は、シアトル近郊で集合住宅の開発プロジェクトに共同参画することを表明した。
住友林業、関電不動産開発、サンケイビルの3社は2021年4月14日、米国の大手デベロッパーCrow Holdings傘下の集合住宅開発会社Trammell Crow Residential(TCR)との共同事業会社(SPC)を通じて、ワシントン州シアトル近郊で賃貸用集合住宅の開発プロジェクト「Alexan Alderwood」に着手することを発表した。プロジェクトの総事業費は約136億円を見込み、2021年4月に着工し、2023年6月の完成を目指す。
シアトル都市圏の成長を見込み、現地のパートナー企業と開発
プロジェクトでは、住友林業の100%子会社SFA MF Holdingsと、関電不動産開発の100%子会社Kanden Realty & Development America、サンケイビルの100%子会社SKB USAの3社が日系JVを組成し、TCRとのSPCを介して行う。
今回の共同事業は、1960年代からシアトルで木材建材の流通事業を開始し、知見を積み重ねてきた住友林業と、国内外で不動産開発・投資の実績が豊富な関電不動産開発、サンケイビルとが米国事業の拡大戦略でビジョンが一致したことで、現地の優良なパートナーとのプロジェクト実施することを決めた。今後の見通しは、今回のプロジェクトを皮切りに、各社の特徴や知見を生かしつつ、今後も継続してグローバル市場での優良な事業機会を検討していくとしている。
Alexan Alderwoodの計画地は、世界的な大企業が本社を構えるシアトル/ベルビューのダウンタウンから車で20分の距離にあたり、主要高速道路へのアクセスも良好な立地。
大型商業施設にも隣接し、車で5分以内にはコストコなどの大型小売店、食料品スーパーマーケットチェーンがあるなど生活利便性が高い。周辺にはウオーキングトレイル、ビーチパーク、湖、大型の映画館などが点在し、娯楽やレクリエーションに適している。また、ダウンタウンから延びるLight Railの延伸も計画されており、今以上に利便性の向上が期待できる。
物件そのものは、木造3階建てと5階建てで、建物面積は約2万9110平方メートル。住戸数は387戸で、内訳は「1Bedroom(1LDK+寝室×1、バスルーム)」233戸、「2Bedroom(2LDK+寝室×1〜2、バスルーム)」126戸、「3Bedroom(3LDK+寝室×1〜2、バスルーム)」18戸、「Studio,Live/Work(1Kなど)」10戸。1階には、豊かな自然を見渡せるアウトドアスペース、家族や友人と楽しめるBBQスペースやプール、2階にはクラブハウスやフィットネスクラブなどのアメニティーが十分に完備されている。
米国国勢調査局のデータによると、シアトル都市圏の推定人口は約398万人で、2010年から2019年までの人口増加は54万人に上り、人口成長率は全米7位。Amazon、Boeing、Microsoft、Starbucks、Expediaなどの世界的に有名な大企業が本社を構える同エリアは、雇用成長が続いており、新型コロナウイルス感染症流行により、直近のマーケット環境に依然として影響が出ているものの、中長期的には高い成長性が予測されている。
住友林業の米国事業は、流通事業を発端とし、米国各地で地域に根差した事業を展開してきた50年以上の長い歴史がある。米国での主要事業の1つ住宅・不動産事業は現在、戸建て住宅事業を14州、2018年に開始した集合住宅事業は9州で展開。グループ全体で2019年の戸建て住宅販売戸数は7973戸、集合住宅着工数は2547戸と、米国でも有数の規模にまで成長している。
今回のAlderwood プロジェクトは、同社にとって日系事業者との共同出資による米国集合住宅開発案件として3件目で、将来的にはアセットマネジメント事業への進出も見据えている。
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