五洋建設が香港大の新築工事を303億円で受注、香港を海外事業の重要市場に:海外プロジェクト
五洋建設は、海外事業の重要エリアと位置付ける香港で、香港大学の研究実験棟とITビルを約303億円で受注し、2024年の竣工に向けて計画を進めている。
五洋建設は、香港大学(The University of Hong Kong)から、生体分子工学や生体医療工学などの研究実験棟(Section A,B)と情報データを集約するITビルディング(Section C)の新築工事を2021年3月、日本円換算にして約303億円で受注した。現在は、合計3棟の新築工事計画を2024年の完成を目指して進めている。
香港大学は1911年に設立された香港最古の高等教育機関で、医学部、工学部、文学部、法学部、理学部、歯学部などを有する世界的に知名度の高い総合大学。アジアのグローバル大学として多様な学生と高度な専門性を持つ職員を擁し、世界各地の大学や教育機関との広大な学術ネットワークを保持している。
教育関連施設の計画地は、香港特別行政区 香港島 ポクフーラム地区にある観光スポットとして知られる山・ヴィクトリアピークの傾斜地となるため、難易度の高い施工を伴うとされる。施工者の選定では、五洋建設が1986年に香港島に進出して以来、35年にわたる施工実績と施工計画提案が高く評価され、今回の受注に至った。
計画では、地下4階・地上9階建てRC造の研究実験棟(Section A)、地上9階建てRC造の研究実験棟(Section B)、地上8階建てRC造のITビルディング(Section C)をそれぞれ建設。総延べ床面積は約4万5000平方メートルを見込む。
五洋建設は近年、ヴィクトリアハーバーを横断する香港鉄路新線用の沈埋トンネル建設、香港国際空港第3滑走路の地盤改良や香港政府の合同庁舎、データセンター、医療施設などの施工を手掛けている。また、2009年度に施行された新教育制度(大学3年制から4年制への変更など)を受けた校舎の新築や建て替え需要を背景に、香港中文大学総合校舎、チュンカンオー職業訓練学校、国際厨芸学院など、教育関連施設のプロジェクトにも携わってきた。今後も、香港を海外事業の重要マーケットとみなし、積極的な営業展開を継続していく方針を打ち出している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 海外プロジェクト:住友林業ら日系3社が136億円を投じ、シアトル近郊で集合住宅を開発
住友林業、関電不動産開発、サンケイビルの日系企業3社は、シアトル近郊で集合住宅の開発プロジェクトに共同参画することを表明した。 - 海外プロジェクト:清水建設JVがフィリピン・ミンダナオ島のバイパス10kmを282億円で契約
清水建設JVは、フィリピン・ミンダナオ島のダバオ市内のバイパス工事を請負金額282億円で契約を締結した。 - 海外プロジェクト:日本工営が70億円でバングラデシュ鉄道整備を受注、駅舎設計にBIM活用
日本工営は、バングラデシュの都市高速鉄道整備で、延長20キロに及ぶ5号北線の設計・施工監理業務を受注した。このうち区間内14駅の設計ではBIMを活用して、維持管理段階での業務効率化にもつなげるという。 - プロジェクト:住友林業と熊谷組が海外プロジェクトで初協業、コンドミニアムと商業施設の開発に着手
住友林業と熊谷組は2017年の業務・資本提携以来、8つの分野で分科会を立ち上げ、協業に向けて取り組んできた。このほど、両社がアジア地域で不動産開発事業に乗り出すために、合弁会社SFKGを設立し、第1弾としてインドネシアで、高層コンドミニアムと複合商業施設の開発プロジェクトに着手する。 - 海外プロジェクト:オールジャパンの延べ12万m2都市型開発、東急がジャカルタでプロジェクト始動
東急不動産は、インドネシアで3物件目となるグループ主導の都市型開発事業「メガクニンガンプロジェクト」に着手した。ジャカルタ特別州中心部に、分譲/賃貸住宅と商業施設で構成された大規模な複合施設を建設し、設計・施工だけでなく、用地取得から、管理運営までのトータルで日系企業が関わる都市型開発となっている。 - VR:VR空間で3Dモデルを修正できる「SYMMETRY」、自動翻訳の次はBIM対応
米Symmetry Dimensions(シンメトリーディメンションズ)の建築設計向けVRソフトウェア「SYMMETRY」のVer1.2が2019年5月20日にリリースされた。新バージョンでは、多言語への翻訳機能に加え、複数人でのデザイン確認や建築プレゼン時のコミュニケーション機能がアップデートされた。